山形県内を巡っているうちに、景色は次第にやわらかなオレンジ色へと変わり、日没が近づいてきました。
時間を考えると立ち寄れる場所はあと一ヶ所ほど。
さて、どこへ向かおうかと地図を眺めながら選んだのが、遊佐町にある胴腹滝でした。
鳥海山の伏流水が岩場から湧き出す珍しい滝として知られ、名水の地としても親しまれています。
また、地域の人々の手によって、苔むした岩の間を流れるよう整えられたことから、自然と人が作った湧水の滝ともいわれています。
駐車場から遊歩道を進むと、木々の間から差し込む木漏れ日が足元を照らしていました。
やがて「不動尊」と刻まれた鳥居をくぐると、苔むした岩の間を清らかな水が流れる光景が広がります。
二筋の滝の中央には不動尊が祀られ、その姿は周囲の景観に静かに溶け込んでいました。
豪快な滝とは異なる魅力があります。
耳を澄ませば水音が響き、目を向ければ緑と湧水が織りなす穏やかな風景が広がっていました。
帰り道、木々の間から伸びる光の帯を眺めながら、この場所の美しさは心にゆっくりと染み込んでくるものなのだと感じました。