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2024年10月、唐人町にある甘棠館Show劇場で「ワラゲキ7」が上演されました。 これはコメディを得意とするナシカ座という劇団が主催したもので、本公演とは異なる番外公演と位置づけられています。 ワラゲキ7の内容は複数のコントを次から次へと上演していくというもの。 ストーリー性のある演目とは違い、全力でギャグに振り切った内容に約2時間の上演時間の間笑いっぱなしでした。 ワラゲキの出演者は芸人ではなく役者です。そのため表情の作り方やリアクションなど、芸人とは異なる味がありました。 特に女優陣の演技

2024年の最初に観劇した舞台は「どうしようもない」です。 劇団テンペストは福岡で活動していますが、その派生ユニットが藍色企画です。 本作はそんな藍色企画が制作した作品の第2弾でした。 「どうしようもない」はバラバラになった家族の物語です。 こうした題材を取り扱った作品は、例えば海外の明るい映画ならハッピーエンドとなる作品も多くあります。しかし本作はそうはなりませんでした。 両親のいない兄妹たちに訪れるのはひたすらに理不尽な運命。文字通りどうしようもない状況が描かれます。 観終わった後に爽やかな

夏の終わりに観た演劇が「HANABI」でした。 舞台演劇で季節感を味わうということはなかなかないのですが、本作は珍しく上演された季節と内容がマッチした作品です。 あるアパートを舞台に、そこで暮らすさまざまな人々の姿を描いた物語。 多数の登場人物がいますが、物語がラストに向かうに従って過去と未来の時間が交差しているストーリーに唸らされました。 本作の中でも一際存在感を放っていた俳優が十朱柚花（とあけゆずか）さんです。 福岡で俳優、声優として活動する十朱さんは本作でメイドカフェで働く可愛い女性の役を

福岡で活動する劇団ショーマンシップの「スカパンの悪巧み」には圧倒されました。 本作が上演されたのは2023年の6月で、場所は甘棠館（かんとうかん）Show劇場です。 ストーリーは金持ちの使用人であるスカパンが、恋に悩む青年のために彼らの父親から金をせしめようと知恵を働かせ立ち回るというもの。 物語の舞台はナポリですが、全編通して博多弁で演じられていることが特徴の作品でした。 スカパンは頭の回転が早く、口も回るキャラクターです。そのため台詞量が他のキャラクターと比較しても圧倒的に多く、早口での長回

小川夏鈴（おがわかりん）さんは東京で活躍されていた女優さんでした。さまざまな舞台やテレビドラマで活動された後、現在は福岡に移住されています。そんな小川さんがたった一人で出演した一人芝居「小川夏鈴一人芝居企画」が2023年の夏に行われました。 芝居の内容は、現代劇と時代劇の異なる二部構成を上演するといったもの。２つの全く異なる役柄を演じ分け、繊細な感情を表現する力は東京の舞台で活躍してきた確かな演技力を感じました。 たった一人、相手がいない芝居では相手の反応を知ることができません。それ故に全ての感