先日紹介した金閣寺から南西に15分ほど歩いたところにあるのが等持院です。
等持院は、暦応4年(1341)に足利尊氏が夢窓疎石を開山として創建した寺院で、足利将軍家歴代の菩提寺となっています。
今でこそ立命館大学や住宅に囲まれてひっそりと建つ等持院ですが、昔はうっそうとした樹々に囲まれた広い境内だったそうです。
大正10年(1921年)から昭和8年(1933)には、日本映画の父と呼ばれている牧野省三氏により境内に映画撮影所が開設されていたこともありました。
境内には牧野省三氏の像やお墓もあります。
達磨図
方丈に入ると、はじめに見えてくるのがとても印象的な達磨図です。
これは禅宗の開祖・達磨大師を描いた衝立で、その大きさと迫力に圧倒されます。
達磨図に向かって右へ進むと方丈前の枯山水庭園の景色が広がっています。
床は鴬張りで、歩くたびに「キュッキュッ」と音がします。
堂内にはご本尊の釈迦如来坐像や大聖歓喜天像、夢窓疎石坐像がお祀りされています。
狩野興以(かのうこうい)作の襖絵も納められています(寺宝展にて公開)
実はこの襖絵、映画撮影の際にかなり破損したそうです。
無事に修復されたそうですが、方丈自体も映画ロケで破損した部分も多いとか。
霊光殿
方丈の奥には、足利将軍十五代(五代と十四代を除く)の木像が納められた霊光殿があります。
室内に入ると、壁の両側にずらっと座る将軍たち。
一番奥には足利尊氏像、向かい側には足利家と関係が深かったと言われる徳川家康像があります。
尊氏さん、結構丸顔でちょっと可愛い。
全員違った顔かたち(当たり前)なので見比べると面白いですよ。
夢窓疎石作の庭園
方丈の裏側に広がるのは、開山の夢窓疎石が作ったと伝わる池泉回遊式庭園です。
芙蓉池と心字池を中心とした2つの庭があり、庭内を散策することも可能。
庭園内には尊氏の墓と伝わる宝篋印塔(ほうきょういんとう)や茶室「清漣亭(せいれんてい)」があります。
私が訪れたときは、椿が咲き始めていてきれいでした。
2月中旬以降には落ち椿が美しい季節となります。
初夏にはサツキ、夏は半夏生や蓮の花・百日紅。
秋には芙蓉、そして紅葉と一年を通じて美しい景色を見ることができます。
等持院は、金閣寺から龍安寺へ向かうきぬかけの路から少し外れているためか、参拝者はそれほど多くありません。
人混みを避けて、ゆっくりとお参りするにはぴったりの等持院へぜひ一度お立ち寄りください。
等持院の基本情報
  • 住所  京都市北区等持院北町63番地
  • 電話  075-461-5786
  • 拝観時間  9:00~16:30(16:00受付終了)
  • 拝観料  大人600円/小人300円
アクセス
  • 最寄り駅 京福北野線「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」徒歩約10分
  • バス 「立命館大学前」徒歩約10分