輪島市の南志見地区を訪れ、海岸に立ってみました。目の前に広がるのは、地震前と大きく変わった海の風景。その大きな理由のひとつが、2024年1月の能登半島地震による地盤の隆起です。
能登半島北部では、地震によって広い範囲で地盤が隆起し、海岸線にも変化が生じました。輪島市周辺でも海岸が海側に広がり、場所によっては、それまで海水に浸かっていた場所が陸地となっています。
実際に南志見地区の海岸を歩いてみると、その変化を感じさせる光景がありました。

海岸に並ぶテトラポッドが、海水に浸からずに地上に出ています。
貝もそのまま干からびていました。
海岸の岩場には、白っぽく特徴的な岩肌が広がっています。名舟海岸周辺には「珪質シルト岩」が広く分布していることが、地質調査でも確認されています。もろくて手に力を入れるとすぐに崩れてしまいました。
さらに、砂地だった場所には草が生え、雑草が茂っています。以前は海だった場所が、今では植物が根を張る場所になっている。海と陸の境目が変わったことを、目の前の風景から感じることができます。

そして、少し意外だったのが、そこを訪れる生き物です。この海岸には、イノシシが餌を探しに来ることもあるそうです。海岸の環境が変化したことで生まれた新たな陸地。そこには人だけではなく、野生動物も足を運んでいます。
輪島・南志見地区の海岸は、海の生き物と山の生き物が交差する不思議な海岸になっていました。