阿波の狸伝承2回目です。
徳島市南沖洲の住宅街の一角に小さな公園があります。
その公園の一角にこれまた小さな祠があります。
【番屋の八兵衛】狸の祠です。
石像自体が愛くるしく可愛いたぬきさんですが、見た目通り言われによると
元浦の松原のてっぺんに、夜、新町川へ入ってくる船のために明かりをともした。
とんぼ返りで一回転し、辺りを一面の花畑にする術も持っていた。
また、外の狸の面倒もよく見る、よい狸であった。
地域社会や友達を大切にする心を育ててくれるという。』
『藩政時代、今の南沖洲の沖洲川沿いの部分に水軍関係の番小屋があり、
その近くの石垣の穴にすんでいたので「番屋の八兵衛」と呼ばれていた。元浦の松原のてっぺんに、夜、新町川へ入ってくる船のために明かりをともした。
とんぼ返りで一回転し、辺りを一面の花畑にする術も持っていた。
また、外の狸の面倒もよく見る、よい狸であった。
地域社会や友達を大切にする心を育ててくれるという。』
この謂れ通り、すぐ目の前には沖洲川が流れかつてはそのまま海に出たそうです。
現在の祠がある当たりは埋立地です。
かつて阿波水軍があり、参勤交代のときなどは、このあたりから北へ400mほど行ったところから大船団が江戸に向かっていったそうです。
そんな船の守り狸。
漁師や船頭(水主(かこ)といいます)が多く住んだ沖洲ならではの狸ですね。
そんな八兵衛のように沖洲に住む子どもたちが人のことを思いやれる優しい子になって欲しいと思います(*^^*)