誰しも人生の大事な局面で神頼みをしたいと思ったことはあるのではないでしょうか。
古事記は人間社会描く風刺画的な要素があり、神様なのにドロドロに人間臭い面を描いた逸話が多いです。
日本は八百万の神が祀られている国、悩み事によって参拝する神社を選ぶ風習もあります。
山陰には古事記ゆかりの地が多くありますが、再生・復活を祈願する「赤猪岩神社(あかいいわじんじゃ)」もその一つで、大国主命(おおくにぬしのみこと)が一度命を落とした後、再生・復活を果たした地とされています。
古事記は人間社会描く風刺画的な要素があり、神様なのにドロドロに人間臭い面を描いた逸話が多いです。
この赤猪岩という珍しい名前の由来となった話は以下のようなものです。
美しい八神姫(やがみひめ)と結婚できると因幡の白兎に予言された大国主命ですが、自分たちも結婚を望んでいたため強烈な嫉妬と憤怒にかられた兄神たちに「村人を襲う赤い猪を山から追い立てるので下で捕まえるように」と言われました。ところがそれは赤い猪などではなく転がり落ちる真っ赤に燃えた大岩だったので、だまされた大国主命は命を落としてしまいます。
そこで大国主命を不憫に思った兄弟の母神が天の神に助けを求めたところ、大国主命はみごとに蘇ることができました。古事記によるとそれがこの場所であり赤猪岩神社の名前の由来となっています。
災いの元になった大岩は、本殿に向かって左側に封印してあります。
残念ながら現在、本殿も拝殿も建て替え中でした。(2024年12月まで予定)
脇に仮の参拝所が設けられており、そこで参拝をしました。
参道途中には池と神社の間に古道があります。
ここはかつての出雲街道で人や文化の行きかう重要な道だったそうです。
不便な場所ではありますが、古事記が好きな人のみならず日本で唯一「再生・復活」「受難」「再起」に立ち向かう力を与えてもらえる神社の御利益を求めて、今もなお参拝者は後を絶ちません。
私が訪れた時は、偶然秋の例大祭の当日でのぼりがたっていました。
駐車場内にある授与所には県外車も止まっており、ちょうど富山から来たという男性一人がお札を買い求めておられました。
赤猪岩神社(あかいいわじんじゃ)住所:鳥取県西伯郡南部町寺内232お問い合わせ先:0859-64-2102(山本)