福島県田村市都路町を通る国道を少し外れ、案内板に従って進むと現れるのが「古代亀石」と呼ばれる巨石です。
何度もその場所を通り過ぎる度に、いつか訪れたいと思いながらも、ついつい見送ってしまっていました。
その場所に、今回は足を運んでみることにしました。
都路町には古代亀石をはじめとして、いたるところに大きな岩や巨石があります。
車を停めてその目の前に立つと、石の形がまるで亀の姿を彷彿とさせます。
石の背中には、苔が薄く生え、長い時を重ねてきたことがひしひしと伝わってきます。
言い伝えによると「無病息災 鶴は万年 亀は千年」と言われる亀に似たこの石を、住民がしめ縄を張り、人々によって崇められてきたとのこと。
石の上部には天狗が降りたときの足跡が残っているといわれています。
石を眺めながらしばらく静かに過ごしていると、耳に心地よい水の音が聞こえてきました。
音のする方を向くと、亀石の近くに小さな滝が、静かに流れているのが見えました。
まるで「よく来たね」と歓迎されているような、そんな暖かな気持ちになりました。
亀石の近くには笠石山の山頂へと続く道が続いています。
山道の途中には、名もなき巨石達があり、山頂を目指すその道中、ひときわ目を引く巨石がありました。
笠石山の刃と呼ばれる巨石です。
看板には、稲妻の光が刃と化し、岩を割り、その割れ目から湧き出た水がこの地を救ったと書かれており、まるで刃で割られたかのように美しく割れた岩に心を奪われました。
山道をさらに進み、急な坂を登りきると、笠石がその姿を現します。
まるで笠をかぶったようなその姿は、名に違わぬ堂々たる風格を誇っていました。
そして、少し歩くと、「夫婦岩」と呼ばれる二つの大きな岩が寄り添うように立っており、その姿はまるで自然の中で寄り添う夫婦のような温かな印象を与えてくれます。
是非、ご当地パワースポットである古代亀石を訪れてみてください。