京都御苑の下立売御門から、烏丸通を挟んで向かいにあるのが「菅原院天満宮」です。ここは、学問の神様として知られる菅原道真の生誕の地であり、日本最古の天満宮です。
もとは菅原氏の邸宅である「菅原院」があったところで、菅原道真とその父祖がまつられています。
左大臣・藤原時平によって太宰府に左遷された道真は、都に戻ることなく亡くなりました。その後、京の都で異変が相次ぎます。人々はこれを道真の怨霊だと恐れ、菩提を弔うために菅原院の地に歓喜光寺を建立。境内には道真と父祖の小祠がまつられました。
歓喜光寺は後に六条河原院に移転しましたが、その小祠は現在も残っています。この小祠を活用し、道真の生誕地とされる場所に建立されたのが菅原院天満宮です。
江戸時代の探検家で「北海道」の名付け親である松浦武四郎も天満宮を崇敬し、現在も彼が奉納した銅鏡や石碑が残っています。
菅公初湯井
境内には菅原道真の産湯の井とされる石台形花崗岩製の井戸があります。2010年(平成22年)に改めて採掘され、地下水が湧き出しました。この水は給水所から利用できるようになっており、参拝客に好評です。