新発田(しばた)駅から徒歩15分ほどのところに、コンクリート製のチャペルのような、独特な造形の建物があります。

ここは『蕗谷虹児記念館』。
建物は1998年、国の公共建物百選に選出されています。
蕗谷虹児(ふきや・こうじ)は新発田市出身の抒情画家で、大正〜昭和期に少女雑誌の挿絵やアニメーション制作などを行い、幅広いジャンルの作品を残しました。

詩人としても活躍した蕗谷虹児。
実は「金襴緞子の帯閉めながら〜」でお馴染みの、童謡「花嫁人形」の作詞者でもあるのです。
2025年1月26日まで、「花嫁人形」がテーマの企画展が開催されていました。
花嫁人形にまつわるエピソード、関連作品などが目白押しの企画展、かなりの見応えでした。
「花嫁人形」の詩と絵は、雑誌の穴埋めとして急ごしらえしたもの
とか、
勝手に曲をつけられたことに激怒して、出版社の社長と取っ組み合いの喧嘩をした
だとか、
情緒ある作品の裏側から飛び出すびっくりエピソードに、思わず笑ってしまいました。

絵の中の花嫁が身につけているものと、よく似た花嫁衣装も展示されています。
麗しさにため息が出ました。

襦袢にも豪華絢爛な刺繍が。

ドーム状の天井の下には、虹児の絵入りのステンドグラスが4つ施されており、

「うたたね」に描かれているコタツの上には、和紙で作った花嫁人形がちょこんと乗っかっています。

2Fの関連資料コーナーでも、頭上にステンドグラスを発見しました。
虹児は童話の挿絵も多く手がけています。
これは「人魚姫」ですね。

こちらは「かぐや姫」。
虹児の絵は、アンデルセン童話にも、日本昔ばなしにも不思議とマッチしています。
こじんまりした空間に魅力がギュッと詰まった『蕗谷虹児記念館』。
「次の展覧会内容は?」「他のステンドグラスはどんな感じ?」と興味をお持ちの方は、ぜひ足を運んでみて下さい。