今回は、深草にある石峰寺というお寺を紹介します。伏見稲荷大社の南側にあるお寺で、あまり知られていませんが画家の伊藤若冲が晩年暮らしたお寺です。

長い階段をのぼった先に、山門があります。竜宮門と呼ばれる形態の門で、黄檗宗に多いのだそう。中華風というか、どこか千と千尋の神隠しの世界を思い出すような雰囲気です。

境内には、伊藤若冲の墓もあります。京都の錦市場生まれの伊藤若冲。まちなかで火事が起こったときに石峰寺に避難し、そのまま暮らして作品作りに打ち込む日々を送ったのだそう。

境内にもまた竜宮門が現れました。ここから先はお寺の裏山のような場所で、伊藤若冲が下絵を描いたという五百羅漢像があります。残念ながら撮影禁止でしたが、なんともいえない独特の空間で、これは写真では伝わらないと思いました。異世界という言葉がぴったりの空間です。

竜宮城へ行った、神隠しに遭った…まさにそんな感覚になる石峰寺でした。ほかにはない雰囲気のお寺なので、ぜひ一度は訪れていただきたいです。
石峰寺の情報
京都市伏見区深草石峰寺山町26
拝観時間:9:00~16:00