伊勢神宮・内宮の門前町として知られる「おはらい町」。その中ほどに位置する「おかげ横丁」は、伊勢を訪れる人々にとって外せない観光スポットです。1993年に和菓子の老舗「赤福」が中心となって整備されたこのエリアは、江戸から明治時代にかけての伊勢路の町並みを再現した情緒あふれる場所。歴史と文化、そして食の魅力がぎゅっと詰まっています。
「おかげ横丁」という名は、江戸時代に庶民のあいだで流行した「おかげ参り」に由来します。これは、伊勢神宮に多くの人々が感謝の気持ちをもって集団で参拝するという風習でした。その精神を今に受け継ぎ、訪れる人々への“おかげさま”の心を表現したのが、この横丁なのです。

通りには約50の店舗が軒を連ね、伊勢志摩の名物料理や地元の特産品を楽しむことができます。グルメを楽しむなら、まずは名物・伊勢うどんや、カツオの漬けを酢飯に乗せたてこね寿しがおすすめ。さらに、明治創業の精肉店「豚捨(ぶたすて)」のコロッケやミンチカツは、行列ができる人気ぶりです。そして、忘れてはならないのが「赤福餅」。門前町ならではの風情ある店構えの中で、できたての赤福を味わえます。
また、横丁内には伝統工芸品や雑貨を扱う店も多く、伊勢木綿や招き猫、地元酒蔵の銘酒など、旅の思い出にぴったりのお土産が見つかるでしょう。歴史、食、文化を一度に体験できる「おかげ横丁」は、伊勢の魅力を肌で感じられる、まさに“おかげさま”な空間です。
