先日、富山県水墨美術館で開催中の特別展
「生誕140年 YUMEJI展 ― 大正浪漫と新しい世界」
に行ってきました。
本展では、岡山県の夢二郷土美術館のコレクションを中心に、日本での活動からアメリカ滞在、さらには西洋での創作まで、竹久夢二の生涯と画業を新しい視点から紹介しています。
展示は約180点以上にのぼり、油彩、水彩、素描、出版物、スケッチ帖など、多彩な作品が一堂に会する貴重な機会となっています。
印象に残った作品たち
展示の目玉のひとつとして紹介されていた《アマリリス》は、近年発見された油彩画で、北陸では初公開。
柔らかい光をたたえた花の描写と静謐な空気感がとても印象的で、夢二の色彩感覚に改めて感動しました。
そして私が個人的にもっとも心惹かれたのが、油彩画の《女》。
慈しみに満ちた潤んだ目、ふとこちらを見つめるようなそのまなざしには、言葉にならない温かさが込められていて、じんわりと胸を打たれました。
夢二の作品に見られる「美人画」という枠を超えて、心の奥にそっと触れるような、深い愛情が感じられました。
展覧会の雰囲気と空間
私が訪れたのは平日の開館直後でしたが、すでに多くの方が来場されており、年齢層はやや高めの落ち着いた雰囲気。
皆さんゆっくりと作品と向き合いながら、それぞれのペースで夢二の世界に浸っておられました。
また、展示室へ向かう園庭がガラス越しに見える通路には、夢二作品のバナーが飾られており、こちらは写真撮影が可能です。
季節の緑と夢二の色彩が重なり、美しいフォトスポットになっていました。
ミュージアムグッズも充実
展覧会に合わせて販売されているミュージアムグッズも見逃せません。
夢二の作品やモチーフを生かしたマスキングテープ、入浴剤、ポストカードなど、日常の中にそっとアートを取り入れられるアイテムが豊富に並んでいました。
その中で私が手に取ったのは、展示会限定デザインのロルバーンノート
3種類の柄があり、私が選んだのは、夢二が描いたベルリンの公園の風景が表紙になっている一冊。
鮮やかでどこか懐かしい景色が、夢二が旅した異国の空気を感じさせてくれて、まるで絵の中を散歩しているような気分になります。

持ち歩くたびに、そのとき感じた余韻をふと思い出せそうで、とても気に入っています。
会期は6月29日(日)までと、もう残りわずかですが、記録としてこの素晴らしい展覧会のことを残しておきたいと思い書きました。
実際に足を運んで感じた空気や、心に残った作品たちのことが、どなたかの記憶のかけらと少しでも共鳴できたら嬉しいです。
富山県水墨美術館
住所 富山県富山市五福777
開館時間 9:30~18:00(展示室の入室は17:30まで)
休館 月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日、年末年始、臨時休館日
電話 076-431-3719
駐車場 有
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