建仁寺の方丈の裏にある、不思議なモニュメント。これは、建仁寺の襖絵を描いた明治時代の画家・田村月樵(別名、田村 宗立)が生前愛用していた硯(すずり)です。

下のほうにカエルがいますが、これは月樵が刻んだものだそう。一匹のカエルが大海原に臨む姿とのことで、月樵本人を表したのかもしれません。
それにしても、1メートル近い大きな硯。水墨画を描いていた月樵ですが、日本画を描くにはこれだけ大きな硯が必要なのでしょうか。持ち運ぶのも大変そうですね。

月樵は元々油絵を描き、日本における洋画の先覚者とまでいわれたそうですが、晩年は知恩院で画僧として、日本画に没頭しました。どのような心境の変化があったのか気になります。

建仁寺の方丈には、この硯で描いたといわれる襖絵「唐子遊戯図」があります。ぜひそちらも合わせて観賞してください。
建仁寺の情報
京都市東山区大和大路通四条下る小松町584拝観時間:10:00~16:30