紅葉の名所・東福寺には現在、25の塔頭があります。「善慧院・明暗寺(ぜんねいん・めいあんじ)」もその一つ。東福寺の本堂へ向かう途中、山門の紅葉がきれいで思わず立ち止まりました。
善慧院と明暗寺は、元々は別のお寺でした。明暗寺は明治時代の廃仏毀釈で廃寺となったのですが、尺八の根本道場で、普化宗の虚無僧発祥のお寺でもあったことから、善慧院に寺宝が託されたのち再興されたそうです。

鳥羽伏見の戦いで長州藩の本営が置かれた東福寺は、塔頭も幕末にゆかりのある場所が多いです。善慧院・明暗寺には、尊王攘夷派の幕末の志士・吉井義之の墓があります。
但馬国(兵庫県)出身で、明治維新後は京都府に仕えたのだとか。池田屋騒動や禁門の変にも登場する人物です。

山門の前に立つ石碑の「明暗寺」という文字が丸くて可愛らしいですね。
善慧院・明暗寺では、毎年11月に尺八の会が行われ、全国の尺八演奏家が集まるそうですよ。ぜひその音色も聴いてみたいです。

善慧院・明暗寺の情報
京都市東山区本町15-797
拝観時間:9:00~16:00