今年は例年より長い期間の一般開放となった、佐賀県神埼市にある庭園「九年庵」。佐賀県内で紅葉の名所として知られ、毎年多くの人で賑わいます。
30年前に国の名勝として指定された歴史あるもので、もとは佐賀の実業家・伊丹交右衛門の別邸として造られました。その後、相続した息子により9年かけて庭園として築かれ、歴史的スポットとして今もその姿を残しています。
平日の昼前に訪れました。週末は臨時駐車場やシャトルバスも賑わう人の多さですが、開放してまもなくの平日だと、近くの駐車場に500円で停められます。近くといっても、敷地内を歩き九年庵までは徒歩で15分。それでも葉をまとった水車や橋からの景色、出店を楽しんでいるとあっというまです。廃寺となった仁比山護国寺の塔頭不動院と地蔵院の跡地に築かれており、入口へと続く参道には鳥居などが残っています。
ここからが九年庵の庭園。高校生以上の入場料は1,000円です。
主家を背景に、紅く色づいた木々が広がっています。緑も混ざっていて、うろづき方もさまざまで…趣深い、静かながら迫力ある“和”の景色が広がっています。
ちらっと見上げた客間の天井がなんだか美しくて撮影。竹でつくられた細い薄板を互い違いにくぐらせて編み込んでいるそう。「網代天井」と呼ばれています。
縁側で腰をおろして少し眺めた後は、通路を進み、石階段が続く道へ。不規則な石の並びが階段になっていて、緩やかな坂があるのでスニーカーが安心です。上には登らず、主家のまわりを周回するだけのお客さんも多いようでした。
でもやっぱり、ここがベストスポット!木々と同じくらいの高さから、主屋とまわりの池をのぞきこむように見下ろすと、圧巻の景色です。少し緑も混ざっていて、それもまた良き。池に反射する紅葉も綺麗でした。
上では、無料でお茶が配られていました。テント内では和菓子も販売されています。椅子も設置されているので、ここでひと休憩するのも良さそう。並びましたが少し待つようだったので、飲まずに先に進みました。
進んでいくと、ここは緑の空間!池には鯉がいて、餌を販売されていました。ここから見える鳥居の向こうが仁比山神社です。
紅葉を顔の高さから拝みながら、ゆっくりと石階段を上へ。参拝後、振り向いたときに見下ろす景色もはっと息をのむものでした。ゆっくりと散策し、秋の景色と空気を存分に吸収することができました。春は毎年5月上旬、青々とした新緑の景色を楽しむことができます。また春の姿を楽しみに、紅葉を目に焼き付けながら帰路へと向かいました。
【九年庵】
場所:佐賀県神埼市神埼町的1696
秋の公開:2025年11月15日(土)~11月30日(日)
入場料:1,000円(高校生以上)
駐車場:あり(500円)、ほか臨時駐車場・シャトルバス運行あり