2025年の大阪・関西万博では、広大な会場のわかりづらさから「非公式マップ」がSNSで話題となり、来場者の“相棒”として数万枚単位で使われていたのをご存知でしょうか。
今回のゲスト・坂ノ下氏は、そのムーブメントを横目に「万博は終われば消える。だからこそ“未来に残る地図”を作るべき」と考えたのでした。こうして生まれたのが、オープンデータを活用した「万博マニアックマップ」です。

坂ノ下氏いわく、このマップの本体は地図そのものではなく OpenStreetMap(OSM)に蓄積されたデータ。マップはあくまで“器”であり、データを誰でも編集・継承でき、万博終了後の姿も長期的にアーカイブできるのが最大の強み。実際、2025年10月13日・最終日の会場データまですべてOSMに保存されている。

この地図の基盤には、4年以上かけてつくりあげた“コミュニティマップメーカー”という可視化ツールがあります。もともと図書館との「思い出マップ」プロジェクトから始まり、写真連携、テーマ切り替え、3D表示、ルート可視化など進化を重ねてきた。そのツールを万博仕様へ徹底改造したのが今回のマニアックマップだ。

特徴はやはり“異様な細かさ”。フェンスの位置、通行不可ルート、裏導線など、スタッフですら迷うレベルの複雑な動線を、現地を歩いてすべてデータ化。写真はWikimedia Commons、説明文はWikipediaと連携し、「地図→写真→説明→ナビ」がシームレスに繋がる最強の“万博アーカイブ地図”となった。

非公式マップが広まり、印刷物が大量に配られる状況を見て「残らないものより、残り続けるものを作るべき」と強く感じたそうです。過去にここに万博があったという記録を記憶をともに残せていきたい。この情熱が彼の原動力だと感じました。

会場が姿を変えていく未来に向けて、「あの時の万博」を空間ごと再現できる価値は大きいはずです。

確かに、グーグルマップは新しいお店ができれば、以前あった古いお店の情報はどんどん上書きされて行ってしまいます。10年後、『2025年の万博ってどんな場所だった?』と聞かれたら、その答えはすべてOSMに残っているのです。
素晴らしい取り組みだと思いませんか。

前回の愛・地球博。動画もない時代、行ったけど記憶が定かではないし、地図も残っていない。当時撮った写真は断片的な記憶しかありません。
地図をつくるとは、未来へ記録を渡すこと。こんな取り組みを全世界でできる現代はすごいと改めて感じるのでした。