静岡県富士宮市、富士山の西麓に広がる朝霧高原。その一角に静かに佇むのが、自然豊かな湖として知られる田貫湖です。
もともとは「田貫沼」あるいは「狸沼」と呼ばれる沼地でしたが、1935年に農業用水を確保するための貯水池として整備され、現在の姿になりました。
田貫湖の最大の魅力は、なんといっても湖越しに望む富士山の姿です。
湖畔に立つと、視界いっぱいに広がる雄大な富士山が正面に見え、晴れた日にはその堂々たる姿をじっくり堪能できます。
さらに、風がなく湖面が静まると、水面がまるで鏡のように変わり、富士山がくっきりと映し出される「逆さ富士」が現れます。
条件がそろった日の美しさは、思わず息をのむほどです。
また、田貫湖は「ダイヤモンド富士」の撮影スポットとしても全国的に知られています。
毎年4月下旬と8月下旬の年2回、朝日が富士山の山頂から顔を出す瞬間が見られることがあり、この時期になると多くの写真愛好家が湖畔に集まります。
朝焼けと富士山、そして光が重なる一瞬は、まさに自然が生み出す奇跡のようです。
四季の移ろいを楽しめるのも、この湖の魅力の一つ。春には桜が湖畔を彩り、初夏にはツツジが咲き誇ります。
秋には紅葉が湖面に映り込み、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
富士山の絶景と四季の自然美を楽しめる田貫湖。ゆったり散策するだけでも心が満たされる、静岡を代表する癒しのスポットです。