皆さん、「トヨタ」と聞いて何を思い浮かべますか?

たぶんほとんどの人が、

「クルマ!」

って答えるんじゃないでしょうか。

僕も最初はそうでした。

でも今回紹介するトヨタ産業技術記念館に行ってみると、入口からいきなりそのイメージをひっくり返されます。

なぜなら、トヨタのものづくりの原点は……

クルマではなく「織機」だったからです。

「え、トヨタって布つくっとったん?」

そう思った方。

今回はそんなトヨタの意外な原点を、名古屋市西区にあるトヨタ産業技術記念館から見ていきます!
そもそもトヨタ産業技術記念館ってどんな場所?
トヨタ産業技術記念館に着いて、まず目に入ってくるのがこの赤レンガの建物。

実はこれ、

昔の工場をイメージして新しく建てた建物ではありません。

本当にここで使われていた工場建築を保存し、博物館として再生したものなんです。

この場所は、豊田佐吉が1911年に織機の研究開発のための試験工場をつくった場所。後には豊田自動織機製作所栄生工場として使われ、その建物を産業遺産として保存しながら、1994年にトヨタ産業技術記念館が開館しました。

つまり、

展示を見る前から、建物そのものがトヨタの歴史。

これ、結構すごくないですか?
しかも「近代化産業遺産」
さらにこの建物や館内に残る機械などは、2007年に経済産業省の**「近代化産業遺産」**に認定されています。

近代化産業遺産とは、日本の産業が近代化していった歴史を伝える建物や機械などを、地域の大切な資産として評価するもの。

トヨタ産業技術記念館では、旧工場だけでなく、豊田式の織機やトヨダG1型トラック、AA型乗用車なども認定対象になっています。

要するにここは、

「昔のものを集めた博物館」ではなく、名古屋の産業発展を実際に支えた場所そのもの

なんです。
トヨタなのに……クルマが出てこない!?
そして館内へ。

「さあトヨタだし、クルマ見るぞ!」

と思って入ると……

織機。

さらに進んでも……

織機。織機。織機。

「クルマどこ行ったん!?」

となるかもしれません(笑)。

でも、ここがめちゃくちゃ重要。

トヨタグループの原点は、豊田佐吉による織機の発明・改良にあります。

豊田佐吉は織機の研究開発に取り組み、その後、息子の豊田喜一郎が自動車製造へ挑戦していきます。

だからこの記念館も、

繊維機械 → 自動車

という順番で見ていくことで、トヨタのものづくりがどのように発展していったのかを理解できるようになっています。公式にも、繊維機械と自動車の技術の変遷を通して日本の産業技術史を次世代へ伝えることが、この館の役割として掲げられています。
トヨタ初の乗用車まで見られる!
↑トヨダAA型乗用車の複製

繊維機械館を抜けると、いよいよ自動車の世界へ。

ここで僕がぜひ見てほしいのが、

トヨダAA型乗用車。

1936年に完成した、トヨタ初の生産型乗用車です。

現在展示されているAA型は複製ですが、流線型のボディーまで再現されており、

「今のトヨタ車につながる最初の一台って、こんな車だったんだ」

と実物大で見ることができます。

ちなみに当時は、現在の「TOYOTA」ではなく**「TOYODA(トヨダ)」**。

この辺もよく見ると面白いポイントです。
「車ってどうやって作るん?」が目で分かる
ここからが、個人的にかなり面白かったところ。

普段僕たちは完成した車しか見ません。

でも、

車って、そもそもどうやってつくっとるん?

と言われると、意外と説明できなくないですか?

自動車館では、

プレス

溶接

塗装

組立

検査

という車が完成するまでの流れを、実際の機械や展示を使って順番に見ることができます。


中でも目を引くのが、巨大な600トンプレス機。

そして、ロボットを使った溶接や組立なども展示されています。

さらに面白いのが、昔の自動車づくりとの比較。

創業当時のAA型乗用車については、鋳造・鍛造・機械加工・プレス・塗装・組立まで、当時どのように車をつくっていたのかが再現されています。

つまり、

昔:人の手で一台一台つくる

現在:大型機械やロボットを使ってつくる

という技術の進化まで、一つの建物の中で比べられるんです。

ただ車を見るだけじゃなく、

「車が生まれるまで」を見られる。

ここはトヨタ産業技術記念館ならではの面白さだと思います。
さらに面白いのが、昔の自動車づくりとの比較。

創業当時のAA型乗用車については、鋳造・鍛造・機械加工・プレス・塗装・組立まで、当時どのように車をつくっていたのかが再現されています。

つまり、

昔:人の手で一台一台つくる

現在:大型機械やロボットを使ってつくる

という技術の進化まで、一つの建物の中で比べられるんです。

ただ車を見るだけじゃなく、

「車が生まれるまで」を見られる。

ここはトヨタ産業技術記念館ならではの面白さだと思います。
子ども連れなら、ここもおすすめ!
↑実際のキーホルダー

そして、子どもと一緒に訪れるなら、見るだけで終わらないのも嬉しいところ。

僕が訪れたときには、自分でキーホルダーを作れる体験もありました。

しかも……

無料。

「博物館って子どもが途中で飽きそう……」

と思う人もいるかもしれませんが、こういう「自分でつくる」体験があると、ものづくりをより身近に感じられると思います。
で、この施設が「ものづくり文化の道」にある意味って?
トヨタ産業技術記念館は、ただの観光施設ではありません。

僕はこの施設を、この地域に残るものづくりの「過去」と「現在」をつなぐ場所だと思っています。

もともとこの地域には、職人による伝統的なものづくりがありました。

そこから近代になると、繊維や陶磁器などの産業が発展していく。

そして織機の研究・開発から始まった豊田のものづくりは、やがて自動車産業へと発展しました。

トヨタ産業技術記念館では、その変化を文章だけではなく、

建物を見て、
機械を見て、
機械が動く音を聞いて、
実際のものづくりを見る。

という形で体感できます。

公式サイトでは、この記念館の基本理念を、豊田佐吉の**「研究と創造の精神」と、豊田喜一郎が自動車の国産化に挑んだ「モノづくり」の大切さを次世代へ伝えること**としています。

だから「ものづくり文化の道」の中で考えるなら、この施設には、

名古屋の産業の歴史を保存する役割

だけでなく、

その技術やものづくりへの考え方を、次の世代へ伝える役割

があるんじゃないでしょうか。
建物からクルマまで、全部が「ものづくりの歴史」
トヨタ産業技術記念館を訪れる前は、

「トヨタの昔の車が見られる博物館」

くらいに思う人もいるかもしれません。

でも実際には、

昔の工場そのものが残り、
織機から始まったトヨタの原点があり、
最初期の乗用車があり、
今につながる車づくりまで見ることができる。

過去のものを保存して終わるのではなく、

「昔の技術がどう今につながっているのか」

まで見せてくれる場所なんです。

トヨタ=クルマ。

そのイメージしかなかった人ほど、行ってみると面白いかもしれません。

ということで今回は、トヨタ産業技術記念館を紹介しました!

第1回で紹介した「ものづくり文化の道」。

実際に一つひとつ見ていくと、名古屋のものづくりの歴史が少しずつ見えてきませんか?

名古屋のものづくり文化の道、もうちょっと知ってかん?

それでは、また次回!アディオス!