瀬戸内海に浮かぶ島々のなかに「豊島(てしま)」という名のちいさな島があります。
湧き水が生まれるほどの豊かな自然や貴重なアートがあちこちに点在する、文字通り豊かな島です。
わたしがこの豊島(香川県)に移住して、約1年半が経ちました。
ゲストハウスのお手伝いがきっかけで豊島を訪れ、今もその仕事を続けています。
豊島は気候も習慣も元いた場所とは違うため、慣れるまですこし時間がかかりました。
つらいことも多々ありましたが、そんな時にわたしの心を楽にしてくれたのは、島のあちこちで出逢う景色たちです。
豊島では、どこにいても、すべての瞬間が美しい。
そのなかでもわたしがいちばん好きな景色は、豊島から眺める空と海です。
たとえば、世界的にも有名な豊島美術館のそばの坂道。
海に向かって落ちていくような道路と空と海は、絶景のフォトスポットです。
昼間は観光客で賑わう場所ですが、朝夕はひっそりと静かで、目の前の世界の色がゆっくりと変わってゆくさまに癒されます。
あるいは、棚田。
豊島美術館のとなりには棚田状の耕作地が広がっています。
豊島美術館のとなりには棚田状の耕作地が広がっています。
そこから眺める景色も、また格別です。
遊歩道も整備されていて、ベンチも所々に置いてあるので、ゆっくり景色を楽しみながら歩くと、とても気持ちがいいんです。
それから、忘れてはならないのが、島の南側、甲生地区の浜。
広々とした砂浜が穏やかにつづいている海辺は、どこから眺めてもきれいで心が安らぎます。
海の向こうに男木島が見えて、さらに重なるように女木島が。
天気がいいときはさらにその向こうに高松の街並みも臨めますよ。
豊島では、長い時間をかけて様々な歴史が紡がれ、人と人とが繋がりつづけています。
その過程には、もちろん争いや対立もありました。
でも、わたしはそれさえも、豊島の豊かさをつくり、今の豊島を支えているのだと思っています。
その過程には、もちろん争いや対立もありました。
でも、わたしはそれさえも、豊島の豊かさをつくり、今の豊島を支えているのだと思っています。
美しさだけではなく、醜さや残酷さも受け入れて、豊島で暮らしているすべてのひとを、わたしは尊敬しています。
どこにいても自分という人間は同じ自分。
それは事実だけれど、立っている場所を変えてみれば見えるものも変わってくるのではないか、なんて思います。
豊島で暮らすことで、穏やかに変わり続けている自分が素直に嬉しかったり。
離島には何にもないようで、じつは何もかもあるような気がしています。
豊島にも、雄大な自然や深みのある芸術や、親しみにあふれた笑顔や、魅力的な存在がたくさん。
ぜひいつかあなたも、豊島に会いに来てください。