「ヒトリトナリ」は、小豆島でパウンドケーキ&オーガニックドリンクを販売している、店舗を持たないパウンドケーキ屋さんです。

最近は近隣の島々にも出店していて、わたしが住んでいる豊島にも頻繁に来てくれます。

先日は豊島の棚田でお店を開いてくれて、最高のロケーションの中、パウンドケーキとドリンクを楽しめました。
ヒトリトナリのパウンドケーキは、基本的に小麦、バター、砂糖のみのシンプルな素材に、季節のフルーツや野菜をアレンジした、身体にやさしいスイーツ。

たかがパウンドケーキと侮ってはいけません。

食べた瞬間、素材の味が弾けて、ダイレクトな甘さと素材の持ち味が口の中に広がる。

こういう感覚、わたしは久しぶりでした。

それは、一言で言うと、「懐かしさ」を体感できる味。

昔こういうお菓子を食べていた気がする、となぜか唐突に郷愁に浸ってしまう、自分の原点に帰れる味なのです。
オーガニックドリンクは、店主が厳選したドリンク原液をフレッシュな炭酸水で割って作ります。

めちゃくちゃ暑い時にこのジュースを飲んだら、一瞬で清涼感に包まれて、暑さを忘れられました。

爽やかな甘さも、汗をかいた身体には嬉しかったです。

容器にもこだわりがあって、持ち運びが便利な上に、小さくたたんで捨てられる。

例えばゴミ箱がない時でも、この容器なら鞄の中に入れておける。

ビジュアルが可愛いうえに、機能的なんて最高ですよね。

棚田と一緒にパシャリ。
ヒトリトナリは江渡知識さんと旦那さん、それから小さい娘さんの家族経営。

もともと青森で自給自足的な暮らしを営んでいた江渡夫婦。

サステナビリティーという言葉が世間に知られるようになるずっと前から、「今あるもので暮らす」「大切なものを次の世代へ」をモットーに持続可能な生活を心がけながら暮らしていました。

そんな江渡家に娘のリンちゃんが生まれ、ある時家族は自転車で長い旅に出ます。

青森からどんどん南下して、最終的にたどり着いたのが、この小豆島だったそうです。

運命的に、家や家具が手に入り、もうここで暮らしなさいと言われているかのような出会いが続きました。

そして江渡家は、今、ココにいる。

長い歴史のようで、でも大きな視点で見たらそれは短い一瞬かもしれません。

でも人間はその一瞬を生きています。

ヒトリトナリは、その一瞬を、おそらくとても大切にしているのだと思います。
「ヒトリトナリ」という店名の由来は、「ひとりの時も隣にいられるように」。

日々の忙しさの中ではなかなかゆっくり食べることは難しいかもしれない。

そんな時は、ゆっくりできるときまで待てばいい。

その時たとえば一人きりだったとしても、パウンドケーキがそばに在る。

「あなたはひとりじゃない」というメッセージが込められたパウンドケーキ。

わたしはそれが、江渡さんちの温かさそのものだという気がしてならないのです。

パウンドケーキは冷凍もできます。

あなたの心地好いタイミングで、ヒトリトナリのスイーツをご賞味くださいね。

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