21世紀美術館からも徒歩3分、兼六園から徒歩5分圏内。
金沢市街の中心にありながら、緑の木々に囲まれた本多公園の中にある美術館です。

この中村記念美術館は、金沢で酒造業「中村酒造」の3代目、実業家であり茶人の中村栄俊氏が開設した中村記念館を母体としている。

表千家流の茶道をたしなんでいた中村氏は戦後、日本は文化国家として繁栄をしていくには、後世に美術品を残していかなくてはいけないと、茶道具の収集を始めたのです。

中村家住宅を展示棟として現在地に移築・改装して中村記念館となりました。

中の展示品は撮影不可ですが、一個人がこうして集めたと聞くと熱意が伝わります。


茶室「耕雲庵」では日本庭園を眺めながら抹茶もいただけます。
350円とリーズナブルな価格。
人が少ない時間帯に子どもと行ってお抹茶をいただくのもいいですね。
こちらのお茶碗も有名な作家さんがつくった貴重なお茶碗。
いくつかある中から選ぶことができます。

抹茶をいただいたら、お茶わんを眺めて、愛でてみましょう。
ここの所蔵品は、茶道具、近世絵画、古九谷、加賀蒔絵など、中村氏が収集した名品を中心にコレクションしていますが、個人からの寄贈や市費による購入もあり、どんどん所蔵は増えています。今では、重要文化財5点、県指定文化財1点、市指定文化財8点とかなり貴重なものもあります。

これらのコレクションを年4~6回の企画展で公開しています。
コレクション展 「工芸セレクションⅣ 花入がいっぱい vol.Ⅱ」
会期:2023年6月29日(木)~ 10月1日(日)

ちょうど訪問したときは、「花入がいっぱい」という花器の展示を行っていました。
九谷焼、加賀象嵌、大樋焼と金沢を代表する花器がずらり。
素材もやきもの・金属・竹・漆とバリエーションの多さに驚きます。

お茶の席では、花屋にあるような花ではなく、
庭先に咲いている草花を生けて飾ることもありますね。

日本人が繊細な季節の移り変わりを草花で感じ取っているのです。

一輪の花を飾る小ぶりのものから、
たくさんの花木を活ける大きなものものまで、
サイズも素材も実に多彩でした。

ちょっと心を休めるのにおすすめです。

【美術館情報】
中村記念美術館
営業時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日:毎週月曜日(祝日の場合、翌平日)、年末年始、展示替期間
駐車場:あり12台
電話:076-221-0751
料金:一般310円、団体(20人以上)260円、65歳以上・障がい者手帳をお持ちの方およびその介護人210円、高校生以下無料