長岡市中山間地にある山古志は、平地の少ない14集落からなる地域です。
昔は集落を行き来するのに険しい峠道を超えてなくてはならない環境だったため、集落の各地に隧道の文化が根付いています。

その中で観光名所として有名なのが、日本一長い手堀りの「中山隧道」です。その歴史の産物は、日本土木遺産に認定されています。
全長約877メートル、幅約2メートル、高さ約2.5メートル。軽自動車1台が通れるほど。驚くことに、1998年までは国道として利用されていました。

なぜ先人たちは硬い岩盤にツルハシ一つで立ち向かったのか?

山古志の冬の積雪は4mを超え、冬季の峠越えは困難なため、吹雪の中で遭難する危険や命を落とす悲劇が繰り返されてきました。
先人たちはこの状況を何とかしようと立ち上がり、16年かけてツルハシ一つで900mの手掘り隧道を掘り上げました。
「血のにじむような努力と命がけの仕事」「やり遂げる力」を後世に伝えていくために、「掘るまいか」として映画化された中山隧道。

中山隧道は未来の人たちへの大切な贈り物となっています。