御来屋(みくりや)漁港は、大山の麓 大山町の日本海側にある小さな港です。
この辺りで有名な港と言えばベニズワイガニ、松葉ガニが有名な境港ですが、県内にはここ御来屋漁港も含め大小18の漁港があります。

御来屋は、歴史的には後醍醐天皇の逃走で登場する地です。
後醍醐天皇が隠岐の島に流された後、再興をかけ命がけで隠岐の島から逃走した際に、ようやく陸地に着いてホッと一息腰を下ろされたのが、名和の湊=現在の御来屋港と言われています。
今でも腰を下ろされたと伝わる「お腰掛けの岩」とその時詠まれた歌の歌碑も残っています。
そんな歴史のある御来屋漁港ですが、小さな港で普段あまり立ち寄る機会はありません。でも、小さな港に隣接する直売所には珍しいお魚に出会うチャンスもあるので通ったついでに行ってみたら……ラッキー!初めましての珍魚に出会えました。

御来屋漁港に隣接する「お魚センター みくりや」は1階が魚介類の直売所、2階が獲れた魚介類のお料理が食べられる「恵比寿」があります。
店内に入ると正面が直売所です。昔の魚屋さんといった雰囲気です。
11時前頃に行ったらすでに売り切れの魚もありました。
その珍しい魚はこの辺りでは「ババちゃん」と呼ばれています。学名はタナカゲンゲと言う深海魚です。

確か昔は「ばばあ」と表記された切り身がスーパーに並んでいました。
さすがにひどい呼び名すぎて問題があると気づいたようで、改名され現在はちゃん付けに昇格されました。
このババちゃん、ごらんの通り、そのあまりにおどろおどろしい姿のた、昔は売り物にならないと市場に出ることがなかったそうです。
ヒドイです。でも確かにそれを納得してしまう姿ですよね ^^
お隣にいるタラと似て非なるお姿……深海では擬態しやすいのでしょうか?

でも、お気づきのようにかなり高価です。直売所でこの値段とは!
そうです、怖いもの知らずで誰かが食べてみたらめちゃくちゃ美味しかったので、今や地元では大人気の冬の高級魚になっています。
私もお姿を見たのは初めてで、切り身以外には出会ったことがありません。
漁業関係者以外ではそういう人がほとんどだと思います。

表記の通りババちゃんは、淡白な白身魚で味は少しタラに似ていますが、タラよりも癖がないので、鍋に入れたり唐揚げ、天ぷらにすると最高に美味しいのです。
よく見ると、なんとなく愛嬌がある顔じゃありませんか?^^
他には、同じ深海魚で冬の魚の代表格アンコウもいました。
さすがの値段ですね。
他にもアジ、ヤリイカ、キス、アナゴ、バイ貝、赤ガレイ、のどぐろもありました。特にアジとキスが安くておいしそう!!
「お魚センターみくりや」に入ってすぐ左の階段を上がると2階に獲りたての魚介類が食べられる地元民に人気の食事処「恵比寿」があります。

以前、40分くらい並んで食べたことがありますが、新鮮な魚介類の定食、海鮮丼が美味しかったです。
御来屋漁港には船が小型船がたくさんありました。
ババちゃんを獲ったのはどの船かな?
御来屋漁港
住所:鳥取県西伯郡大山町御来屋1101
電話:0859-54-2015(鳥取県漁協御来屋支所)

お魚センターみくりや(直販店と地魚料理の店)
住所:鳥取県西伯郡大山町御来屋1101
大山町御来屋 御来屋漁港前
駐車場:有り

●鮮魚直売所
電話:0859-54-5511
営業時間:9:00~16:00
●地魚料理 恵比須
電話:0859-54-5522
営業時間:11:00~14:30(ラストオーダー14:00)