「八雲立つ風土記の丘」は、古代出雲地方の中心地であった史跡群の保存、管理、学習の場として造られました。
国宝の本殿を有する神魂神社もすぐ近くにあるこの地域は、天皇が在住する大和国に負けないほどの大きな勢力を持っていた出雲国の政治、経済、文化の中心地でした。

奈良~平安時代(ピンク色)が奈良時代の古墳、史跡です。
この地域には飛鳥時代から鎌倉時代まで多くの神社や史跡があるのがわかります。
そもそも風土記とは何でしょう?
平城京が造られた奈良時代に天皇が命じて書かせた地方の地理書です。
各地域ごとの歴史、文化、産物、書物などのあらゆる情報が書かれ、天皇に提出されました。

当時、60ほどあった国が提出した風土記で現存するものは5つあり、播磨国風土記、肥前国風土記、常陸国風土記、豊後国風土記、出雲国風土記です。
そのうち、ほぼ完全形で残っているのは出雲風土記だけです。

出雲地方は、大和に続く大きな勢力が存在した地域だったので、古墳や出土品も多く残っています。
それらを保存、管理し、将来へ伝える場が「八雲立つ風土記の丘」です。
冬枯れの季節で閑散とした風景の中、展示学習館の左側に奈良時代の住居が再現されていました。
展示資料館の右手前奥には休憩舎と風土記植物園があります。
小学生などが学習に来た際に利用できる広いスペースがありますが、一般の人ももちろん利用できます。

風土記植物園には、出雲風土記に書かれた植物で現在特定できるものが80種類植えられています。春から夏には古代出雲をしのべる花たちに出会えることでしょう。
学習展示室では、常設展でいつでも古代出雲について学べるようになっています。教科書で学んだ古代の歴史をより身近に感じられると思います。

私は今回は時間の関係で入館できませんでしたが、古代の花が咲く季節にまた訪れたいです。
イベントも行われるので、チェックしてからの来館がおすすめです。
八雲立つ風土記の丘(史跡マップのダウンロードも可能)
住所:島根県松江市大庭町456
電話:0852-23-2485
開館時間 : 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 : 火曜日(祝日の場合は翌日)
駐車場:有り