夏目漱石が、和歌山に来た…という話はご存知ですか?高校生のときに教科書に載っていた「こころ」を書いたあの人は、1911年に和歌山を訪れています。
そして、「現代日本の開化」という講話を和歌山の地で行ったのですが、みなさんの中には、その「現代日本の開化」も国語の授業で習ったよーという方もいらっしゃるでしょう。
1911年はまさに、西欧の文化が一気に入ってきた頃。
だから、ご覧ください。
夏目漱石が講話を行った和歌山県議会議事堂には、西欧の劇場を真似た二階席が存在するのです!
今現在であれば、劇場と議事堂の用途が違うから二階席は議事堂にはいらないという判断をするのでしょうけれど、この頃は、そんな考え方はできなかったのでしょうね。
お寺のような構えなのに洋風の門、そして車止めまであるこの議事堂は、当時の混乱をよくあらわしており、そして漱石はここで、そんな混乱に警鐘を鳴らす講話をしていきました。
今は道の駅にうつされており、入場料無料で中を見ることができます。当時の姿ではなく、復元された姿ではありますが、こちらに赴いてから「現代日本の開化」を読み直すと、とても感慨深いものがありました。