「くまのプーさん」という看板があるのは、安来市の古く大きな名家も並ぶ出雲街道沿いです。
かつては商店が並ぶ安来市の中心部として賑わったこの地域にある、レトロな店構えのくまのプーさんは、何度かテレビでも取り上げられた地元で人気の大判焼き屋さんです。
昔、部活の帰りにちょっと仲間たちと寄っていた昭和レトロな風情の大判焼き屋さんです。

一般の大判焼きは、小麦粉で皮を作るので茶色をしていますが、くまのプーさんの皮はでんぷんで作っているので白くてモッチモチです。
そして、皮のモチモチ度にも増して驚くのが、ここのあんこの美味しさです。
なんでもご主人が開発されたご自慢のあんこらしいのですが、コクがあるのに胸焼けしないほど良い甘さで、私的には高級和菓子店にも引けを取りません。

さほどあんこが好きでない人でも何個でも食べられる唯一無二のこのあんこのために、ここだけはダイエット中でも食べたい衝動に負けてついつい来てしまいます。
いつもは、行く少し前に電話をしてすぐ受け取れるようにしています。
その時は、店内に入らなくても玄関左側の窓口から購入ができます。
作る過程を見せていただきました。
まず、でんぷんを水で溶いた液体を型に入れて焼きます。間をあけずにあんこを投入します。
このそびえ立つあんこの塊を見てください!何度も食べているので知ってはいたのですが、焼く時にこんな状態だとは知りませんでした。
24個のうち、22個があんこで2個だけがカスタードクリームです。
やはり一番人気はあんこ味なんですね。

カスタードクリームもあんこ同様に大量に入っているのですが、全然もたれない美味しさです。
ちなみに、この他にチョコレート味もあります。
何を隠そう一時このチョコレート味にはまっていました。^^;
美味しいチョコレートが惜しげもなく大量に入っていて、全部食べられるかな?と一瞬思うのですが、食べ始めると速攻で最後までペロリです。
見てください!この圧巻のあんこタワー!そしてカスタードクリーム!
これがつい2年くらい前まで100円だったとは信じられません。

あんこやカスタードクリームを入れ終わったら、型からはみ出るくらいにでんぷん液を追加します。
作っている間中、おばちゃんが嘆いていました。
「25年間あんこの仕入れ価格が同じだったのに、いきなり2倍に上がったからお手上げだわ。でんぷんの価格も上がったけど、あんこが致命的で値上げ待ったなしになってしまった。でもこれ以上上げられないので利益を減らしている。今更あんこの量を減らせないしね」

中学生、高校生も気軽に買える大判焼き屋さんだったはずなのに、今では老舗和菓子店に劣らない1個160円になってしまったのは本当に残念です。
私も2倍に値上げになったあんこが返す返すも悲しいです。

しばらく焼いたら型をひっくり返して反対側の皮を焼いていきます。
この白さがくまのプーさんの大判焼きの特徴です。たまりません。^^
できあがったら、1個ずつラップにくるんで保温ケースで保存します。
まるで家でおばあちゃんに作ってもらったみたいな手作り感満載です。

今日は、自宅用3個(グッと我慢して)と友人に渡すために5個入り1つのあんこの大判焼きを買いました。
冷凍もできるのでとても喜ばれます。

結構なボリュームがあるのに、80代以上の胃が小さくなり歯が弱った方でも、この大判焼きはペロリと1個たいらげます。1度に2個食べる人も珍しくありません。
一度プレゼントするとたちまちファンになる人がほとんどなので、リクエストリストがどんどん増えて買いに行くのが大変です。
冷凍したこの大判焼きは、自然解凍でもいいのですが、最後は皮を完全にモチモチにするために少しレンジで温めるとできたての味を再現できます。

また、お店のおばちゃんは「あんこは最後にトースターで皮をカリっとさせるのが最高だよ」と教えてくれました。
でも、私はやはりモチモチの方がいいなぁ。^^
モチモチだけどお餅よりも歯切れがよく食べやすい、ここでしか食べられない皮の歯ごたえがたまらなく好きなのです。
ちなみに「くまのプーさん」は、大判焼きの他に焼きそばもあります。

ここは近所の常連さんたちが集うサロンのようなくつろぎの場所になっていて、ぜひ焼きそばをとリクエストされたらしいです。
この日もご近所さんがお店に飾る花の取り替え用を持って来られました。
大事にされているんですね。
住所:島根県安来市安来町1657-1
電話:0854-22-2162
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜日

大判焼きは、あんこ、カスタードクリーム、チョコレートの3種類で、全て1個160円(税込み)です。