ヤマタノオロチ退治でスサノウノミコトに助けられ結婚したイナダヒメ(櫛名田比売 クシナダヒメ)の生誕の地と書かれた碑があるのは、奥出雲町の稲田地区にある稲田神社です。
古事記、日本書紀にも登場するこの神社は、縁結び、子宝、安産のご利益があるそうです。

昼なお暗い感じの広い境内には「稲田姫生誕の地」と書かれた碑があり、その奥に拝殿、本殿があります。
多くの神社の周りにはうっそうとした木々があり外界と一線を画した空気感を感じますが、ここは特にそれを感じました。
稲田神社拝殿です。この奥に本殿があります。
境内にはスサノウノミコトとイナダヒメの石像もありました。
そば処奥出雲の名の通り、稲田神社の境内に入り駐車するスペースすぐ横には「姫のそば ゆかり庵」があります。
神社よりこちらのそばを目当てに訪れる人も少なくありません。

ここのそばは、在来品種の横田小そばの実を使っています。
実は、全国的に有名なブランド米である仁田米で作ったおにぎりも絶品らしいのですが、今回は手違いで食べられませんでした。次回に期待します!

「姫のそば ゆかり庵」は昔のこじんまりとした旅館か集会所のようなたたずまいです。靴を脱いで上がります。
最初の扉を開けると火鉢を中心に置かれた部屋がありました。
正面のふすまを開けて次の部屋に入ると、左手に食事をするエリア、右手は調理スペース、正面のガラス張りの部屋はそば打ちの場所です。
ん?ちょっと待って、VIVANTの文字が……何でしょう?
なんと乃木憂助の名刺がありました。ここに訪れたのかな?と思ってたら、しっかりと便乗商品のお饅頭でした。奥出雲は大ヒットドラマ VIVANTの撮影地で乃木憂助の父親の実家が奥出雲町にある桜井家で撮影されました。
懐かしい感じの大広間に座椅子が並んでいます。
正座がしにくい人のために、脚付きの座椅子もありました。
割子そばです。3段を頼みました。
薬味をかけて1段ずつ食べて行き、残った出汁と薬味を2段目に移して足りなかったらさらにそばつゆや薬味を追加して食べ進みます。

すごいコシ、弾力のある力強いおそばでした。そばつゆは濃いめです。
濃厚なそば湯もそばの味がふんだんに味わえて美味しかったです。
この辺りでは、在来種の横田小そばを大事に継承し栽培しているようです。
そばを通して古い歴史や文化、伝統を守る姿は素晴らしいです。
「姫のそば ゆかり庵」のおそばは、噂通りのとても美味しいおそばでした。
島根県民にもここのそばのファンは少なくないようで定期的に通うという声も聞きました。
次回はぜひ仁田米のおにぎりも忘れずに頼もうと思います。

◆稲田神社
住所:島根県仁多郡奥出雲町稲原2128-1
電話:0854-54-2260(奥出雲町観光協会)
駐車場:有り ※境内のそば屋と兼用

◆姫のそば ゆかり庵(稲田神社境内)
営業時間:11:00~※ラストオーダー14:30
定休日:火・第3水曜日
※稲田神社は松江市にもあるのでご注意ください。