兵庫県赤穂市上仮屋にある「赤穂市立歴史博物館」では、現在「立版古(たてばんこ)の世界」と称して忠臣蔵の名場面の浮世絵を立体的に組み立てた起こし絵の企画展が、来年の2月下旬まで開催されています。
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立版古(たてばんこ)とは、切組灯篭や組上げ灯篭、起し絵ともいわれる錦絵を使ったおもちゃ絵のこと。元は孟蘭盆の灯篭行事として始まり、寛政(1789~1801)頃に京・大阪周辺の上方から江戸で流行した灯篭飾りが起源といわれていています。つくられた当初の立版古は、家の前にろうそくの火を入れて飾り、夕涼みの人々の目を楽しませる夏の風物詩でした。
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特徴はペーパークラフトのように切り抜いて立体的に仕上げる点です。当時は遊んだ後は廃棄されることが多かったようで、現在に残されているものは数少ないのだとか。
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今回は同博物館所蔵の浮世絵の中から36点、組み立てた立版古作品を7点を展示しています。
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錦絵の一部に記された完成予想図をもとに一つずつ拾い上げて完成させたもので、忠臣蔵を題材にした作品を切り抜き前と後で、それぞれ見比べてみることで、昔の人々が楽しんだ立版古というおもちゃの世界を感じてみてはいかがでしょう。
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同館職員の力作を目の前に、その躍動感を感じて見るのは興味深いですね。
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同館は水曜日休館(12/28~1/4も休館)
開館時間は9時~17時(16時半までに入館)
入館料は大人200円、小中学生100円。
他、割引制度あり http://www.ako-rekishi.jp/about/
駐車場完備しています。
また赤穂城跡と隣接しています。