高松市のサンフラワー通り近くに、知らなければ見逃してしまう桜の名所「鹿の井出水」があります。
「鹿の井出水」には、古くから語り継がれる伝説があります。1122年、讃岐の国が大干ばつに見舞われ、飲み水すら不足する事態となりました。村人たちが困り果てる中、突然、白髪の老人が居石神社に現れ、驚く村人の前で鹿に姿を変え走り去りました。追いかけた先で鹿が掘った土からは、清水がこんこんと湧き出し、村人たちを救ったと言います。この出来事から「鹿の泉」と呼ばれるようになり、現在では「鹿の井出水」として整備されています。
日中の静けさも魅力的ですが、特に夜は桜の美しさが一層際立ちます。高松市の街中にありながら、まるで別世界にいるかのようなこの場所は、地元の人々にとってのオアシスであり、補助水源としても利用されています。春の夜、幻想的な桜の光景をぜひ一度体験してみてください。