熊野大社 - 島根県松江市
観光・その他 島根県松江市八雲町熊野2451   [地図]
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マキノ
2024-02-07 20:36
熊野大社は出雲大社より古い?2つの神社の関係と違い
観光・レジャー 島根県・熊野大社
観光・レジャー 島根県 熊野大社
島根県は古代ロマンの土地柄で古くて由緒正しい神社がたくさんあります。
日本の各地域で、歴史が古くその地域を代表する優れた社格の高い神社は、1つに限られ「一之宮」と呼ばれていますが、島根県にはその一之宮が2つもあります。

1つはあの出雲市にある出雲大社で、もう1つは松江市にある熊野大社です。
が、日本書紀、古事記外伝によるとおそらく熊野大社の方が創建は古いだろうと言われています。

熊野大社一の鳥居です。
では、出雲大社と熊野大社の関係、違いは何でしょう?

熊野大社は創建紀元前33年で、杵築大社(のちの出雲大社)に移って新たに建てられたのが708〜721年頃という説がありますので、熊野大社が出雲国の一之宮、出雲大社が二之宮という関係になります。

出雲大社の成り立ちを俗っぽく表現すると…
大和国の天照大神(あまてらすおおみかみ)との政権争いに負けた大国主大神(おおくにぬしのみこと)が、国や神々の統治権を譲る(国譲り)の代わりに、出雲の地に大きな社を造ることを許してもらったのが出雲大社の始まりと言われています。
神様になぞらえていますが、人間界を例えた話のように思えますね。

そして、元々の熊野大社の地から移って出雲に新しく建てられた地上48mもある壮大で立派な出雲大社、どんどん全国的な知名度を上げ出雲国一之宮として定着し現在に至っています。

こうして、元の地に残った熊野大社は最初の一之宮なのに、知名度の点で出雲大社と大きな違いができてしまいました。
一の鳥居をくぐり進むと二の鳥居の前には清らかな流れの意宇川が流れ赤い橋の欄干が美しいです。
そんな不遇をかこっている感がある熊野大社ですが、出雲大社に一矢報いる行事が残されています。

熊野大社に祀られているのは素戔嗚尊=スサノウノミコトです。
ヤマタノオロチ退治で有名なスサノウノミコトが「檜の臼」と「卯木の杵」で火を起こす方法を発見したため、熊野大社は火の発祥の神社とも言われています。
そして境内の「鑚火殿(さんかでん)」には発火の神器「燧臼(ひきりうす)」と「燧杵(ひきりきね)」が保管されているのですが、出雲大社は、毎年11月23日に行われる「古伝新嘗祭」に使用する神聖な火を起こすために、わざわざそれらを借りに来るそうなのです。

それらを授ける儀式がとてもユニークです。
出雲大社が納めた餅に関して「色が悪い」「形が悪い」「去年より小さい」などと熊野大社の下級神官の亀太夫が言いたてるのだそうです。

まるで、後からできた超有名神社の格上神官相手に、本家本元老舗神社の格下神官が好き放題文句を言い難癖付けるといったイメージ?^^;

この一風変わった儀式で、熊野大社は多少の面目躍如を果たしているように感じるのは私だけでしょうか。
熊野大社も歴史を感じさせるお社で、出雲大社に負けないくらい立派なしめ縄が随神門と拝殿にあり2回参拝者を迎えてくれます。
ちなみに、熊野大社で祀られているのはスサノウノミコト、出雲大社に祀られているのはその子孫であるオオクニヌシノミコトです。
妻のクシナダヒメを祀った神社もありました。
スサノウノミコトの母にあたるイザナミノミコトの神社やお稲荷さんもありました。
熊野大社ならではの御守りやお土産になる物がないか見ると、スサノウノミコトがヤマタノオロチ退治の後、妻となった櫛名田比売(クシナダヒメ)にちなんだ「縁結び櫛ケータイストラップ」や「縁結び櫛」がありました。
熊野大社は、出雲大社よりも敷地がコンパクトでめぐりやすく、また鳥取県側からは近いのでよくお参りに行く神社の1つです。五穀豊穣、金運、恋愛成就、縁結びのご利益があるそうです。
何よりもすがすがしい空気で癒されリフレッシュできる空間です。

熊野大社
住所:島根県松江市八雲町熊野2451
電話:0852-54-0087
拝観時間:24時間(職員の対応は8:30~ 17:00)
駐車場:有り
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