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零戦の実物大模型と平和への祈り「阿見町 予科練平和記念館」

まちフォト
茨城県・阿見町
茨城県阿見町にある、阿見町予科練平和記念館。
ここには、ゼロ戦と人間魚雷の実物大模型、そして太平洋戦争で犠牲になった人々の慰霊碑があります。

きれいに整備された芝と、モダンな建物。
阿見町予科練平和記念館の建物です。
「予科練」初めて聞いた人も多いと思います。
私も茨城に来るまで知りませんでした。
予科練とは。
平たく言うと旧日本海軍の、パイロット養成所。
優秀なパイロットを養成をするため、14才半から17才までの少年を集めて、基礎訓練を行った施設です。
そんな、重要な施設が茨城にあったんですね。
訓練生の中には特攻隊員として出撃した人も多く、訓練生の約8割が戦死。
その数は、訓練生の約8割に当たる1万9千人余りと言われています。

この施設には、ゼロ戦の実物大模型が展示されています。
当時としては超低燃費💦やばすぎる💦
零戦「零式艦上戦闘機」
横幅:12m 重さ:1.754㎏ 時速:296~333km 燃料搭載量:525L 航続距離:約2,200Km
私の中のイメージとしては、
「2tトラックが、F1マシンと同じスピードで、満タン補給で青森から九州くらいまでひと飛び」( ;∀;)
ってこと?

そして、コックピット。
小さいですね。
ここに搭乗したパイロットはどんなに孤独だったでしょうか?

そして、こちらは人間魚雷「回天一型」の実物大模型です。
「人間魚雷」って、聞いて驚きますよね。
敵艦に体当たり攻撃を行うための、特攻専用兵器だそうです。
直径1m、全長約14m。
人一人が腹ばいになって、ようやく搭乗できるほどの大きさ。
これで、敵艦に突っ込んでいった兵士は、どのような思いだったのでしょうか?
そしてなぜ、こんな兵器を作ってしまったのでしょうか?

記念館のお隣には、陸上自衛隊土浦駐屯地(通称:武器学校)があり、敷地内の美しい庭園と慰霊碑、そして「勇翔館」と呼ばれる予科練記念館を無料で見学できます。
慰霊碑には、きれいな菊の花がお供えされていました。

旧日本軍の要所だった阿見町は、戦時中激しい空襲をうけ、多くの民間人がその尊い命を落としました。
予科練平和記念館近くには、市民の犠牲を悼む慰霊碑が沢山点在します。

そして武器学校とは反対側の敷地には、子供たちが楽しく遊べる公園が整備されています。
ここでは冬の寒さに負けず、子供たちの楽しそうな歓声が上がっていました。
いつの時代も戦争の犠牲者となるのは、民間、軍人を問わず弱い人たちです。
今年は、日本被団協がノーベル平和賞を受賞しましたね。
今の平和で安心できる日本は、尊い犠牲の上に築かれたもの。
先人たちの犠牲を忘れてはいけないなと思いました。
零戦や人間魚雷で自らの命を犠牲にした若者たちは、公園で遊ぶ子供たちの歓声をどう聞くのでしょうか?
平和な国になって良かったとほほ笑んでくれるでしょうか?
今の時代を恨めしく思ったりしないかな?
そして、空はとても青かったです。
予科練平和祈念館
午前9時~午後5時
午前9時~午後5時
休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
入館料:一般500円 小・中・高生300円