鳥取県境港市生まれの写真家 植田正治(うえだしょうじ)氏は、世界で最も注目された日本人写真家、写真界の巨匠と言われていました。
日常の写真というよりも、絵画的、芸術的でオブジェのような写真が有名ですが、その作風は写真の発祥地フランスで「UEDA-CHO(植田調)」と高く評価され、フランスの芸術文化勲章を受章しています。

そして、植田正治氏の弟子の一人で一般の人にもよく知られた有名人と言えば、福山雅治さんです。
植田正治氏の存命中には、境港市にある植田氏の実家に訪れたり、植田正治写真美術館でサプライズコンサートをしたりと、鳥取に来られる機会も度々あったようです。

そんな植田正治氏の写真を集めた記念館が、出身地の境港市ではなく大山の麓 伯耆町(ほうきちょう)にあります。風光明媚なこの地は、正面に大山がドーンと鎮座し四季折々の自然豊かな情景が楽しめるので、写真美術館にはもってこいの場所と言えるでしょう。
絵画の美術館とは違い、少し地味な印象がある写真美術館ですが、世界的な写真家の芸術的な写真の数々はとても魅力的で一度は見ておく価値はあります。

さらに建築家 高松伸氏によるコンクリート打ちっぱなしで造られた独創的な建築は、のどかで牧歌的なこのエリアに一個の鮮烈な芸術的な印象を放っています。そして、外観だけでなく、内部には館内にある噴水を利用した水面に大山が映る「逆さ大山」も一興です。

デジタルカメラが一般的になったこの時代に、1913年(大正2年)生まれの植田正治氏の作品に触れると、アナログ写真、モノクロ写真の美しさやその可能性に改めて驚かされるはずです。

今回は無料エリアにある知り合いのアマチュア写真家の展示会を見に来ましたので、写真が許可されているその付近を紹介したいと思います。
植田正治写真美術館の入り口は、大山が見える正面ではなくグルっと後ろに回り込んだところにあります。
大自然の中に突然現れた近代的で無機質な石の造形物は、一見違和感を感じるのですが、中の植田氏の写真作品とみごとに調和しており、作品を観終わった後にもう一度この建物と周りの景色を見ると、それまでとは全く違った印象に変わって違和感は消え不思議と納得していたのを覚えています。
この建物は、県民の建物百選にも選ばれています。
玄関を入ってすぐ右はこんな様子です。この右手前に2階に通じる階段があり、そこからは有料エリアで写真はほぼNGです。
こちらが今回の目的だった地元で活躍するアマチュア写真家たちの作品群です。植田正治氏の展示もこんなイメージで繰り広げられています。

大山方面に行かれる際には、写真にあまり興味がなくても、一度は訪れて世界的な写真家の作品に触れてみてはいかがでしょう。
芸術に触れた後は、ホッと一息できる場所が近くにあるのでぜひ立ち寄りたいです。

すぐお隣りにあるのは、大山ハムの工場と直営店 テラス ザ ダイセン
目の前の大山を眺めながらハム製品やアウトレット製品、冷凍のピザ、スイーツなどの乳製品を購入したり、屋外で軽食&カフェを楽しめる人気のスポットになっています。

大山のジャージー牛乳で作った濃厚なソフトクリームは絶品です!
植田正治写真美術館
住所:鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
電話:電話 0859-39-8000
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)
※毎年12月途中~地年2月まで冬期休館 
※展示替期間中は休館
駐車場:有り