ログハウスのような山のパン屋さんです。「コウボパン 小さじいち」という名前は珍しいですね。
ここ「小さじいち」は2006年からこの場所で開業されていますが、当時はまだ今ほどに発酵食品に注目は集まっておらず、まして自然に存在する菌を使ったパン作りをするパン屋さんはほとんど見かけませんでした。

私は十数年前に、地元のニュース番組で紹介されているのを観てお邪魔したことがあるのですが、建物の周りは木々もほとんどなくポツンと感がありました。
その後、近くに行く機会もなかったのですが、最近、大山の地元の人との会話で出てきたここのパン屋さんの名前に、ふと懐かしくなり久しぶりに訪ねてみました。

「コウボパン 小さじいち」は大山のアイノピアペンション村のすぐ隣にあります。
下記の写真の手前がペンション村です。お店の前には車がひっきりなしに来るのですが、県外車が多いのに驚きます。
それは、オーナーさんが元々関西で人気のパン屋さんをやっておられた方というのがその理由です。この土地に訪れた際に雄大な大山、豊かな自然環境が気に入られここへの転居を決められたようです。
自家製酵母を作り、地元産を始めとしたこだわりのの小麦を石臼で挽きパンを焼く…オーナーご夫妻のひとかたならぬ自然愛とパン愛を感じます。

店舗を囲む木々がすっかり大きく成長していて時間の経過を感じました。
すぐ左横には交差点があり、その左手奥には名峰大山の雄姿が見えます。
実はここからの大山の眺めは、地元民が好む大山のお気に入りスポットらしいです。色とりどりの紅葉や雪の白色が映える大山がよく観察できる上に、観光客もほとんどいないので、ゆったりと季節の移り変わりを楽しんだり写真に収めたりする人気の場所なんだそうです。
今回、小さじいち再訪のきっかけになったのも、この大山のおすすめスポットの話題からでした。
パンを販売する店舗の左には軽食を楽しめるカフェもあります。
大山を見ながらちょっと一息しているお客さんが見えました。
現在増築工事中ですので、もうすぐ席数が増えたカフェはますます賑わいそうです。
以前来た時は数種類の食パンがメインだった気がするのですが、今は食パン以外の様々なパンがズラリと並んでいました。
右手奥にはものすごい数の食パンが並んでいました。今日一日で売り切れるのでしょうか?
とはいうものの、こんな山奥にパンを買うために次々にやってくる車を見ていると、かなりの人気パン屋さんだと改めて思いました。
大山の他にも米子市や松江市、そして関西にも店舗があるようです。
この食パンがとても美味しかったです。これだけは唯一フランス産のドライイーストを使っているそうですが、それにしてもイーストの力だけでふんわり感を出しているのはすごいです。
さらに、大山産の生クリームとバター入りで無添加の本当に美味しいパンで、クマの烙印も可愛いです。
以前食べた食パンは独特の酸っぱい味がありました。自家製酵母の味だったと思うのですが。現在は高級食パンの流れも受けてか変わったようです。

実は、家族がこのパンにはまり、紅葉シーズンだったものもあって短期間に3度も続けて通ってしまいました。
「一番人気は?」と聞いたらその1つだと教えてくれたのが、このクリームチーズがサンドされた「くるみとクランベリー」でした。
濃厚なチーズとドライフルーツのコラボがとても美味しかったです。
ひっきりなしに訪れるお客さん達は、県外の方や小さな子供連れ、シニアの御夫婦……半分は紅葉シーズンに関係なく買いに来られている様子でした。
毎日食べるパンだからこそ強いこだわりを持つ方たちがわざわざ通って来られるのかもしれません。

コウボパン 小さじいち
住所:鳥取県西伯郡伯耆町金屋谷1713-1
電話:0859-68-6110
営業時間:毎週水曜日から土曜日11:00~16:00
定休日:日、月、火
※1月から3月は大山の店舗は冬季休業
冬季休業の間は米子・松江・関西などで営業

大山のもう1つのペンション村「あけまの森」にある「
森のパン屋 むぎの詩」も美味しいです。