『郡山市文学資料館』で開催中の企画展、「竹久夢二の世界」を観てきました。
今回の企画展では、夢二自身の詩作や夢二が挿絵・装幀を担当した作品など、夢二と文学作品を絡めたものが多く展示されています。
「夢二画集 春の巻」は、夢二の最初の著書です。これがベストセラーとなったことで、一躍有名になった夢二。
ここには、本当は詩人になりたかったという旨の記述があります。
しかし詩人として食べていくことができなかったので、”絵で詩を”描いてみたら、思いがけずこれがヒットしたとのこと。
言葉で言い表せない領域を、絵で表現する・・・夢二にはぴったりの手法だったのでしょうね。
とはいえ、詩作を断念したわけではありませんでした。
夢二は自ら挿絵や装幀を手がけた詩歌集を、数多く出版しています。
画家であり、詩人である夢二だからこそなせる技ですよね。
自著というだけあって、制作にあたりこだわり抜いた夢二は、見返し部分にも手を抜かなかったのだとか。
ここに並ぶ著書は、まさに夢二の美学が結集したものですね。
「婦人グラフ」で連載され、人気を博した「婦人絵暦十二ヶ月」。
この号は「童話」というタイトルになっていますが、読んでみるとかなり大人な内容でした。
絵本も多く制作した夢二は、子供のための絵の練習帳も手掛けたことがあります
ところでこの少年、”海賊王を目指す麦わら帽子の彼”に似ていませんか?
絵入りの小唄集「どんたく」より、「紅茸の母子」
版画・水彩画のイメージが強い夢二ですが、実はペン画の作品も多く残しています。この絵はいい意味で、ちょっと夢二らしくないような印象を受けました。
自作の短歌を添えた肉筆画も。
夢二の詩はどこか儚げでしおらしく、夢二の描く女性「夢二式美人」に通づるものを感じます。
夢二&詩と言えば、忘れてはならないのが夢二作詞「宵待草」です!
ここでは、曲の元となった夢二の恋愛体験や制作秘話などが解説されていました。
ちなみに会場では、オペラ歌手・三浦環氏による「宵待草」が流れています。
「竹久夢二の世界展」は、2024年12月1日まで。
宵待草を聴きながら、画家であり詩人でもあった夢二の世界観に浸りたい人は、ぜひお見逃しなく♪