春が近づき、桜の開花を待ちわびる今日この頃。お花見といえば桜ですが、一足早く春の訪れを知らせてくれる“梅の花”もまた可愛らしいですよね。県内では伊万里や唐津の名所が有名ですが、市内にもおすすめスポットがあります。
「曹洞宗 恵日山 高傳寺」。
一般的に「高伝寺」と呼ばれていて、国道208号の「高伝寺」交差点を曲がった道をまっすぐ進むとあります。1552年に鍋島清房が創建したもので、1871年に、佐賀藩の最後の藩主であるな直大により、散在していた鍋島家先祖の墓や戦国時代に佐賀を治めていた龍造寺家の墓が集約された場所でもあります。
受付で拝観料400円を支払います。毎年4月に開催されている「釈迦堂御開扉」のパンフレットもこちらでもらえます。「思ったよりまだしっかり開いてそうですね」と言うと、「今年は咲くのがとても遅かった」とお寺の方が。昨年は例年より早く開いたので、年によって本当にさまざまだそうで。「その違いもおもしろいですよね。まだ蕾も残っています」とのこと。暖かい気候の中、ゆっくり眺められるのも嬉しい♪
奥にあるのは観音堂。39世の住職が回った33ヵ所の各霊場にあった本尊仏を復刻したものや集めた土などが祀られています。
鍋島藩の祖直茂公・日峯宗智大居士(鍋島直茂の戒名)の350回目の法要のときに建立された「鐘楼堂(しょうろうどう)」。重厚感と渋みたっぷりの鐘と梅のショット、なかなか絵になります。
本堂へと続く山門の両側にも白梅、紅梅が並び出迎えてくれます。
本堂の中には、ある梅の木のアートが。彫刻家・新庄良博さんが、本堂の前で枯れつつあった梅の木を「このまま朽ち果てさせたくない」と、お寺の了承のもと持ち帰り。とはいえ、大事な古木に刃をいれて掘るわけにもいかない…そこで、竹べらで大きく枯れた部分をそぎ落とし、少し丸みのある滑らかな木の姿に仕上げたというものが飾られています。※本堂内は撮影禁止
本堂南側と奥には、新庄さんが育てたという紅と白の梅の木が計4本、植樹されています。本堂の中にあるメッセージに、「梅の古木を里帰り展示できた喜び」と記されていて、それがなんとも温かみのある言葉だなぁと印象的でした。
まだまだ蕾もあったので、もう少し楽しめるかな?儚さとたくましさを兼ね揃えた梅の姿は、寒い冬を越えた時期にも心にも、ポッと灯りをともしてくれます♪
【高伝寺】
拝観料:400円