富山国際現代音楽祭’25を聴きに行ってきました。会場は富山県民会館。
撮影NGのため、今回は記憶と感動を言葉でしっかりと残しておきたいと思います。

「富山国際現代音楽祭」は2024年にスタートしたばかりの新しい音楽祭。「世界の最先端の音楽を、ここ富山で体感できる場を」という思いから始まり、クラシックの枠を超えた“現代音楽”の魅力を発信する貴重な機会となっています。コンサートだけでなく、海外の一流アーティストによる公開レッスンもあり、若手演奏家にとっても貴重な成長の場です。
今回はイタリア出身・フランス在住の気鋭の指揮者ロレンツォ・ディ・ジオサファッテ氏を迎え、会場の空気を引き締める情熱的な指揮で観客を魅了していました。

さらに、グラミー賞ノミネート歴をもつ実力派バイオリニスト、シャリーニ・ビジャヤン氏のソロ演奏も披露され、深く豊かな響きに会場は酔いしれました。

フィナーレには、作曲家でもある大会実行委員長・イバーセン哉子さんの作品『羽衣より ―天女舞―』が演奏され、武岡ともさんによる優雅な舞が舞台を幻想的に彩り、幕を閉じました。
現代音楽とは、20世紀以降に生まれた実験的・革新的な音楽のこと。クラシックに慣れている私にとっても、印象的だったのはその独自の奏法です。
たとえば、
・弦楽器の弦を指ではじく、駒の近くを弓でこする
・ピアノの鍵盤ではなく中の弦を直接弾く
・フルートを吹くときに声が入る
・金管楽器に「ふた(ミュート)」をして音をこもらせる
といった表現が目の前で繰り広げられ、驚きの連続でした。

また、電子音や即興的な打楽器演奏も交え、「音が出るものすべてが楽器になる」という発想に触れることができました。
クラシックが「耳で聴いて楽しむ音楽」なら、現代音楽は「五感で体験する音楽」。最初は戸惑いもありましたが、それこそがこの音楽の醍醐味なのかもしれません。

新しい音楽との出会いに、心が大きく揺さぶられた夜でした。