東京都東村山市青葉町にある国立ハンセン病資料館。アクセスは JR 武蔵野線 新秋津駅から徒歩 20 分である。ハンセン病は細菌感染症だ。むかしは癩 (らい) 病と言った。感染が成立しても発症するとは限らず、かつ、ヒトの体の中での菌の増殖もとても緩やかだ。しかしながら発症すると外見が大きく変わってしまい、そのようすから、業病 ~前世の罪の報い~ と差別的に呼ばれたこともあった。かつては患者隔離政策がとられていた。この病にまつわる資料館を紹介したい。【写真1】資料館の入口
資料館は入場無料。入場時には簡単に属性 (性別や年代など) をタブレットへ入力する。建物内部はとてもきれい。1階は研修室や映像ホールだ。2階が常設展示室で、その常設展示室は;
  1.  歴史展示
  2.  らい療養所
  3.  生き抜いた証
で構成される。【写真2】展示室1の遠景
【写真3】展示室2のごく一部
【写真4】展示室3のごく一部
いまは国内でハンセン病を発症するひとはほぼいない。むかしも患者が多かったわけではないと思うが、ひとたび発症したらハンセン病療養所へ入所させられて、そこで周囲と切り離されて生きていくこととなった。きっと過酷な人生だったろう。

ハンセン病と、その療養所と、隔離政策を知るために訪れてみてほしい。ハンセン病療養所は国内に 13 ヵ所まだ残っているがこの資料館はそのうちのひとつ多磨全生園の敷地入口にある。資料館は立派であり、充実していて、展示室1、2、3すべてを見るには1時間以上かかると思う。