京都市伏見区に鎮座する「城南宮(じょうなんぐう)」は、「方除(ほうよけ)の大社」として広く知られる神社です。
その創建は794年、平安京への遷都に際して桓武天皇の勅命により、都の南方を守護する神として建立されたのがはじまりと伝えられています。
その後、11世紀には白河上皇や鳥羽上皇がこの地に離宮「城南離宮」を築き、周辺は政治や文化の一大拠点として栄えました。
さらに幕末の1868年には「鳥羽・伏見の戦い」の舞台となり、薩摩藩が戦勝祈願を行った記録も残るなど、城南宮は時代ごとに重要な歴史の節目を見届けてきました。
現在では、「方除け」や「厄除け」の御利益を求め、多くの参拝者が全国から足を運びます。
工事や引越しの安全祈願、さらには車のお祓い、交通安全祈祷など、日常生活に関わるさまざまなご祈願が行われ、厚い信仰を集めています。
中でも見逃せないのが、神苑「楽水苑(らくすいえん)」の存在です。
約3万平方メートルにおよぶ広大な敷地には、平安・鎌倉・室町・桃山といった各時代をテーマとした五つの庭園が造られ、四季折々の自然美を堪能できます。
とりわけ春の風物詩である「しだれ梅」と椿が、苔むす庭にふんわりと散り重なる光景は、訪れる人々を魅了しています。