慈受院は、上京区にあるお寺。創建は室町幕府の4代将軍、足利義持の妻・日野栄子で、のちに皇室の女性が入る尼門跡寺院として「薄雲御所」とも呼ばれました。
近隣には尼門跡寺院「村雲御所」の跡もあり、周辺は皇室にゆかりの深い場所。

慈受院は元々、藤原道長建立の法成寺にあったとされ、道長とつながりの深い紫式部の「源氏物語」ともゆかりがあります。
源氏物語の「薄雲の巻」には、「入日さす 峰にたなびく 薄雲は もの思ふ袖に 色やまがへる」という歌も。光源氏が藤壺へ向けて詠んだ歌です。
本尊の釈迦如来のほか、慈受院では後小松天皇の念持仏であったとされる、毘沙門天も祀っています。毘沙門天の妻・吉祥天と、子・善膩師童子を従え、家族で祀られている珍しい毘沙門天像。通常は非公開なので、特別公開されたらぜひ見てみたいです。

慈受院の情報
京都市上京区百々町540