元祇園梛(もとぎおんなぎ)神社は、京都市中京区壬生にある神社です。
平安時代のこと、当時都中に蔓延していた疫病を鎮めるための鎮疫祭を行おうと、播磨国から勧請した牛頭天皇(ごずてんのう)を梛の森であったこの地にお祀りしたのが始まりと言われています。
のちに牛頭天皇は祇園社(今の八坂神社)に遷座されたことから、元祇園社と呼ばれるようになりました。
遷座の際には、梛の住民たちが花を飾った風流傘を立て、棒を振り、音楽を演奏して神輿を送ったそうで、これが祇園会(祇園祭)の傘鉾の起源となっています。
毎年5月の第3日曜日に斎行される「神幸祭」も牛頭天皇をお見送りしたときの様子が起源となっているお祭りです。
風流傘や少年勤王隊などが氏子地域をめぐる様子はミニ時代祭と呼ばれ、楽しく華やかな行列となっています。
境内では元祇園梛神社式内隼神社(しきないはやぶさじんじゃ)の本殿が並んで建つという京都でも珍しい景色が見られます。
式内隼神社の御祭神は、天下安穏五穀豊穣を守る隼大神(はやぶさおおかみ)と武甕槌神(たけみかづちのかみ)で、現在は厄除け・病気兵符の神様として信仰されています。
古来より朝廷の崇敬が篤く、式内神社(延喜式神名帳に名前が載っている神社)として由緒深い神社です。
境内には今も梛の木があります。
梛の葉は葉脈が縦に走っているため強く引っ張っても切れにいことから、縁結びの木とされ、良縁祈願や夫婦円満などを祈願される方も多いそうです。
元祇園梛神社の見どころとして忘れてはならないのは、豊富な御朱印です。
私が参拝したときは見本が10種類以上あって…
元祇園祭の御朱印や同じ牛頭天皇を御祭神としている八大神社とのコラボ御朱印など、どれも美しいものだらけで、選ぶのにとても困りました。
特に秋は梨木神社・八大神社とこちらの元祇園梛神社の三社で「京都こだわり御朱印三社巡り」というイベントがおすすめです。
三社それぞれで御朱印をいただくと、別に記念御朱印を受け取るというもので、毎年デザインが変わります。
御朱印好きの方だけでなく、京都の秋を新しい視点から楽しみたい方も、ぜひ一度ご参加ください!