江戸時代、「田代売薬」という薬の配置販売業が盛んだったという、現在の佐賀県鳥栖市エリア。今や名の知れた製薬メーカーの拠点としても知られ、その歴史は今もしっかりと根付いているのを感じます。そんな鳥栖市にある面白い施設をご紹介します。
「中富記念くすり博物館」。同市の公益財団法人が運営する博物館です。スタイリッシュでシンプルな外観。奥には約800坪の敷地に、350種類ほどの薬木薬草園があるのだそう。
大人は300円、未就学児は無料!しっかりと設備が整った博物館でこの価格、かなり良心的。筆者のように子連れはもちろん、若い世代や団体客など客層は幅広く感じました。レトロなチケットも可愛い♪
いろんな薬が丁寧に、静かに並んでいます。展示の仕方も近代的というか…仕掛けのような凝ったスタイルが面白く、気づけば見入ってしまいます。
訪れたのは初めてですが、2021年にリニューアルされたそうで、その際にまた雰囲気がガラッと変わったのかなと思います。カテゴリごとに展示の仕方が変わったり、仕切りで部屋のような空間がつくられていたり。医療系の学生や職業の人はまたおもしろく感じそう。一見、難しい内容なのかなと思いきや…
こういった身近な疑問もうまくパネル化し、展示されていました。薬局と行くと必ず聞かれる「ジェネリック」。そのほか、ドラッグストアと薬局の違いなどもわかりやすくまとめられていました。
2階には、子どもも楽しめるスクリーン上のゲームや
こちらは薬草の塗り絵シートを完成させてスキャンすると、前のスクリーンに映し出される面白い仕組みも。お子さんたちはみんな静かに熱中!
薬草といえば、遊びゾーンのうしろに「薬用植物」コーナーが。実際に薬に使われている植物たちを乾燥させ、瓶詰めしたものが並んでいます。実際にフタをあけて匂いを嗅ぐことができます。聞き慣れない草木が並ぶ中、にんにくや生姜などもありました。
階段を真ん中に反対側に行くと、江戸時代で薬を作る際使われていた器具の展示や作り方、材料となったものなどが展示されています。その中の1つに、当時の薬屋を再現したブースが!アイテムを身に着けて写真撮影もできます♪
難しい薬の世界をできるだけ噛み砕き、身近なところから視野を広げながら展示を楽しむことができました、「なんだか奥が深そう…」と思う人もいるかもしれませんが、ぜひ教科書を開くような、気軽な気持ちで訪れてみてください。
【中富記念くすり博物館】
場所:佐賀県鳥栖市神辺町288‐1
開館時間:10:00~17:00
    ※入場は16:30まで
休館日:月曜日、年末年始