名古屋市では、名古屋城から徳川園一帯のエリアを「文化のみち」と名付けています。
名古屋の近代化や歴史文化に触れられる貴重な歴史遺産が多く残されており、大正ロマンの雰囲気が漂う橦木町や白壁、明治時代の輸出陶磁器産業の舞台になった旧街道などがあり、多様な歴史が混在しています。
今回は、静謐とした格調高きハイカラさが残る「文化のみち 橦木館」をご案内しましょう。
「文化のみち 橦木館」は、輸出陶磁器商として活躍した井元為三郎が、大正末期から昭和初期に建てた邸宅。
2階建ての洋館、平屋の和館と東西の2棟の蔵に、茶室と庭園があり、現在は名古屋市有形文化財、景観重要建造物に指定されています。
外観は、ホワイトとブラウンのアールデコ調が際立ちます。
それでは、館内に入ってみることにしましょう。
ちょっと厳かな雰囲気で緊張します…。
井元為三郎は、明治30年(1897年)に名古屋で陶磁器輸出業の「井元商店」を創業しました。
世界各地に支店を置いて直接輸出を行うなど、名古屋の陶磁器輸出業界をリードした実業家で、ノリタケとは協力関係にありました。
まず2階に上がると洋室があり、こちらは展示室になります。
パネルや資料などにより、名古屋の陶磁器産業の歴史が分かります。
陶磁器の調度品が当時からオシャレであり、現在に至る…と陶磁器産業も盛んになり後世に引き継がれています。
この陶磁器で昔のコーヒーも味わってみたいですね。
橦木館のステンドグラスを、ちょっとだけご紹介!
分離派(ゼセッション)の影響を受けたデザインとアメリカン・アール・デコを彷彿させるデザインを先駆けたステンドグラスを採用。
トランプ模様が可愛いですね。
1階に下りると、先ほどとはうってかわって日本家屋そのもので、昔懐かしい和室がとてもゆったりとくつろげるくらいに広い!
何故かしら居心地が良くて…、閉館時間まで腰を落ち着けたい気がします。
和室では風流な「いりゃあせ 伊勢型紙展へ」の作品展の催しが。
ひとつひとつの型紙の優美な緻密さに、つい見入ってしまいます…。
そして、記念に「橦木カフェ」に立ち寄り。
旧応接室をモダンなカフェにと、白を基調として様変わりです。
とても落ち着く優雅な時間を過ごせるので、オススメです!
そして、こちらは敷地の中央にある緑豊かな庭園で、洋館と和館をつなぎ、四季折々の風情が楽しめます。
ちょっとした庭園の美風景が、日頃の疲れを癒して心を和ませてくれて満喫できます!
「文化のみち 橦木館」を通して、昭和の初期の歴史や文化に触れて、ご自分で視野を広げて、新たに名古屋のヒストリーの変遷の書物を読んでみるのも、読書の秋としていいのかもしれませんね。
都会の喧騒の中にそこだけ異空間のように、ひっそりと佇む「橦木館」。
現代のスピーディーな時間の中で、時間が大正末期で止まってるレトロ感覚を体験できる「文化のみち 橦木館」に是非、訪れてみて下さい!
あなただけの文化を探して、この際、感性をもっと研ぎ澄ませてみませんか?
文化のみち 橦木館

住所
〒461-0014
愛知県東区橦木町2-18
電話
052-939-2850
開館時間
午前10:00~午後5時
観覧料
大人 200円 中学生以下は無料
文化のみち 二葉館共通観覧券 320円
休館日
月曜日(祝日の場合は直後の平日)
年末年始(12/29~1/3)
交通アクセス
地下鉄桜通線「高岳」下車、1番出口より北に徒歩10分
市バス「東片端」下車、北に徒歩3分