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山梨武田史跡巡り〜甲府東エリア編②「逍遥院」〜
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観光・レジャー
山梨県・逍遥院
甲府東エリア第二回は、「逍遥院(しょうよういん)」をご紹介します。
逍遥院は、武田信玄公の実弟で、信虎公の三男の武田信廉(のぶかど)公が建てたお寺です。
住宅街にあるお寺ですが、とても整った存在感を感じる山門です。
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信廉公は、自邸近くに建てたということなのでこの辺りに屋敷があったものと思われます。ちなみに、信廉公は武田家滅亡の際は信濃国伊那郡の大島城主を務めていましたが、織田軍の甲州征伐軍により甲斐に逃げてきています。
山門の前にもしっかりと「逍遥院」の文字が見えます。
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山門を進むと、とても綺麗に整えられた庭園があります。
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そして庭園には柔らかな印象の菩薩様が。
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乗られているのは蓮の華びらだそうで、なんとも優雅なお姿。人生を守護してくださるとはなんともありがたい。
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菩薩様のすぐ正面には本堂があります。
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信廉公はこの逍遥院に生前、自ら作成した位牌を収めていたようです。
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武田家滅亡の3年前というと甲越同盟(武田勝頼公と上杉景勝の間)が結ばれた年。この同盟は武田家の命運を分けたともいわれるので、武田家の行く末に何か感じるものがあったのかもしれません。
看板にもかるく書かれていますが、信廉公は画人としても非常に優れており、父信虎公や母大井夫人の肖像画を手がけています。自分の両親の肖像画を描けるとはそれだけでも親孝行な気がします。
本堂の左手には、「武田信廉公之祠(ほこら)」があります。
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よく武田信廉公の墓といわれたりしますが、信廉公は武田家滅亡の際、織田軍の残党狩りにあって亡くなったためお墓はありません。祠とは、霊魂を祀るもののことです。
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名前が「信綱(のぶつな)」となっているのは、出家後の名前です。信廉公は出家する前の名前ですね。
実は信廉公は、信玄公とお顔が相当似ていたようで影武者をつとめていたという話があります。しかも側近ですら見抜けなかったというから相当なものです。
信玄公が信州駒場で亡くなられた際、影武者として甲斐まで引き上げるのを成功させたそうです。かなりの大役です。
ちなみに、駐車場はわりと多めに取られている印象なので、車でのアクセスは良好です。この奥の方にも駐車場がありました。
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逍遥院はどちらかというと石和に近いので、石和でワインや温泉などを楽しむ際、少し寄ってみる感覚で来られるのが良いかもしれません。
甲府からだとやや距離を感じてしまいますが、武田史跡に興味がある方には必見のスポットとなりますので是非訪ねてみてください。
それではこれにて、山梨武田史跡巡り〜甲府東エリア編②「逍遥院」〜は終了となります。ここまでご覧くださり、ありがとうございました。