米子市の中海(なかうみ)にある米子水鳥公園は、西日本最大のコハクチョウの集団越冬地として知られています。
そして中海は、西日本屈指の野鳥の生息地であり飛来地、国指定鳥獣保護区、さらにラムサール条約登録湿地という鳥たちとっては恵まれた自然環境です。
今年は10月9日に初めてコハクチョウ2羽の渡来が確認され、10月末には約470羽に増えています。
このように毎年多くのコハクチョウがやってくる西日本屈指の米子水鳥公園ですが、実は元々埋め立て予定地でした。
周囲は干拓によってどんどん鳥たちのねぐらが減っていき、最後にこのつばさ池だけが残された時、それでもコハクチョウはやってきました。
それを見た当時の米子市民が、この貴重な自然を野生の鳥の生息地として残して、市民が鳥と触れ合える場所にしようと行動を起こしました。
そして、市長の英断もあり1995年に開園したのがこの米子水鳥公園です。
それから多くの近隣地域住民にも愛され、米子水鳥公園は2025年に30周年の記念の年を迎えました。
渡りを済ませたばかりの野生のコハクチョウやカモたちの様子を知る絶好の機会になると思い、30周年の記念行事の一環として計画された早朝観察会に参加しました。
周囲は干拓によってどんどん鳥たちのねぐらが減っていき、最後にこのつばさ池だけが残された時、それでもコハクチョウはやってきました。
それを見た当時の米子市民が、この貴重な自然を野生の鳥の生息地として残して、市民が鳥と触れ合える場所にしようと行動を起こしました。
そして、市長の英断もあり1995年に開園したのがこの米子水鳥公園です。
それから多くの近隣地域住民にも愛され、米子水鳥公園は2025年に30周年の記念の年を迎えました。
渡りを済ませたばかりの野生のコハクチョウやカモたちの様子を知る絶好の機会になると思い、30周年の記念行事の一環として計画された早朝観察会に参加しました。
早朝に出かけたのは初めてですが、定期的に開催してほしいと思うほどとても素敵な観察会でした。
この時期、朝日がちょうど大山頂上から上るダイアモンド大山が見られる時期ですが、雨が多い山陰のこと、この日も御来光は拝めませんでした。
大山の頂上付近がうっすらと明るくなる頃、多くのコハクチョウはもう目覚めています。
この時期、朝日がちょうど大山頂上から上るダイアモンド大山が見られる時期ですが、雨が多い山陰のこと、この日も御来光は拝めませんでした。
大山の頂上付近がうっすらと明るくなる頃、多くのコハクチョウはもう目覚めています。
※スマホ撮影で色無調整です。ご了承ください
奥でまだ丸まって寝ているコハクチョウ、手前にはグレーの幼鳥を連れた親子が水草を食べ始めています。今年7月頃、ロシアのツンドラ地帯で生まれた幼鳥が、もう長い旅を経てここにいることに驚きます。
足で水底の水草を掘る時、体が左右に細かく揺れるのがとてもかわいいです。
同じく渡ってきたカモもたくさん泳いでいます。カモはコハクチョウが掘った水草を横取りしようと近くにいるのですが、時々怒られて追い払われていました。
観察会は、朝6時45分から約1時間(後でさらに希望者は1時間延長)で、参加者それぞれに渡された双眼鏡と設置されている望遠鏡、そして肉眼で野生の鳥たちを見ながら、リアルタイムで専門家の解説を聞き質問もできるというぜいたくなものでした。
約470羽のコハクチョウの目覚め、そしてこれから餌場へと飛んでいくまでの興味深い行動を詳しく解説していただいたのは、総括指導員の桐原さんと指導員の神谷さんです。
観察施設ネイチャーセンターの前のこの池は、埋め立てを中止し人工的に造られたつばさ池です。
約470羽のコハクチョウの目覚め、そしてこれから餌場へと飛んでいくまでの興味深い行動を詳しく解説していただいたのは、総括指導員の桐原さんと指導員の神谷さんです。
観察施設ネイチャーセンターの前のこの池は、埋め立てを中止し人工的に造られたつばさ池です。
人間を避けたいはずなのに、ネイチャーセンターのすぐ近くにコハクチョウがたくさん集まって来るので不思議に思っていたのですが、これは偶然ではなくそうなるように計算され造られているのだと初めて知りました。
池の深さは40~100cmですが、それを20cmにすることで浅瀬で休みたいコハクチョウが、自ら観察者の近くに来るように設計されていたのです。
池の深さは40~100cmですが、それを20cmにすることで浅瀬で休みたいコハクチョウが、自ら観察者の近くに来るように設計されていたのです。
夫婦はよく、くちばしを突き出して夫婦同士の挨拶を交わします。
ラブラブです。^^
これは力を競うものらしいのですが、グループのボスを決めたりする目的ではなく、少々パワフルなあいさつのようなもので単なる力比べだそうです。
この時は左のカップルが勝利し、右のカップルはスーッと横に後退していきました。
つばさ池では、コハクチョウの鳴き交わす声や羽ばたきの賑やかな音、水がはねる音が朝の静けさを打ち消すように辺り一面に響いています。
ほとんどのコハクチョウが目覚めると、首を上下に揺らしながら「そろそろ餌を食べに行かない?」と呼びかけが始まります。その呼びかけに呼応するように同じ動作で答える仲間が自然に集まり、10~20羽位のグループができます。
これは名峰大山をバックに野鳥が作り出す美しい音風景で、環境省の「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。
その中で勇気のある1羽or我慢しきれない1羽が先陣を切って飛び立つと、その後を追うように続々と群れを成して飛び始めます。
羽を広げると190cmにもなるコハクチョウが次々に飛び立つその一連の行動は、とてもダイナミックで美しい感動の風景です。
一列になった群れは、つばさ池上空を大きくを旋回した後、目的地へと向かいやがて見えなくなります。
けれど面白いことに、中には「やっぱりやめた」とばかりに引き返すコハクチョウがいたり、一部が別の方向に分かれて飛んで行ったりと、結構自由なコハクチョウ社会の様子が見て取れました。
この日は、500m以上離れた池の奥の方からわざわざ観察者の方へと旋回して来ては、再び奥方向へと飛ぶケースが何度も見られました。
これはきっと30周年記念にあやかってのコハクチョウたちのサービスなのではないかと皆が思いました。
餌場に向かうメンバーも行先もその日ごとに変わるそうですが、変わらないのは常に夫婦や家族単位で行動することで、夫婦や家族は決して離れ離れにはならないそうです。
ちなみに「オシドリ夫婦」なんて言われるオシドリは、実は同じパートナーと添い遂げる鳥ではないそうです。
ちなみに「オシドリ夫婦」なんて言われるオシドリは、実は同じパートナーと添い遂げる鳥ではないそうです。
対してコハクチョウは、かなりの高確率で一度夫婦になると最後まで同じ相手と添い遂げることが分かってきたとのこと。
それは、個々のコハクチョウのくちばしの黄色と黒の模様は指紋のようにすべて異なるーと発見した、イギリスのスコット博士の調査結果で明らかになったそうです。
さあ、今日は安来の水田で落ち穂を食べる?
それとも南部町で草の根を食べようか!
※ 安来の雪景色とコハクチョウ はこちら
いつもはさっさと餌場に向かうコハクチョウが、のんびりしてなかなか飛び立つ気配がありません。朝冷えがきつくなるほど空腹を感じるのか、餌を求めて早く飛び立つのに、この日は風もなく穏やかで暖かな夜明けだったため、あまりお腹が空かなかったせいかもしれないとのこと。
もう日が高くなった8時頃にようやく飛び立つ姿やまだまだ残っている姿も見られました。日に2割くらいは残るようです。
参加者にとっては願ってもない好条件となったこの日の観察会、ゆっくりコハクチョウや他の野鳥を観察することができました。
桟橋からも観察しました。
記念にタオルと缶バッチ、ボールペンをいただきました。
コハクチョウが朝晩を水鳥公園内で過ごすのは11月20日くらいまでで、その後は帰らずに餌場となる安来市や南部町の田んぼで1日中過ごすそうです。
それは、地域の方の協力により餌が豊富になり、コハクチョウが安心して過ごせる環境が整ったためだそうですが、米子水鳥公園の方にとってはちょっと寂しいかもしれませんね。
よって、米子水鳥公園でコハクチョウを観察したい方は、年内はそれまでに、また来年3月の北帰行が始まる1ヶ月前に来れば、再びその姿が見られるそうです。
電話:0859-24-6139
開園時間:9:00~17:30
休園日:火曜日
駐車場:無料有り












