― 能登半島復興への祈りと、麻文化の奥深さに触れた2日間 ―

2025年11月1日・2日に開催された「第11回 日本麻フェスティバル in 中能登町」。
今年のテーマは「能登半島復興祈願」。
約2000年の歴史をもつ「能登上布」の産地・中能登町での開催とあって、麻文化と能登の復興を重ね合わせるような深い2日間となりました。

私は今回、観客として会場を訪れましたが、展示・舞台演出・講演の全てが想像以上に見応えがあり、学びの多い時間に。
「麻ってこんなに奥深いの?」と、価値観が大きく揺らぐ体験になりました。
初日は「祈りの奉納」からスタート。
天日陰比咩神社の宮司・船木さんによる祈りで会場が清められ、その後は次々と伝統芸能の奉納が行われました。

・重要無形文化財保持者・大倉庄之助さんの大鼓
・フジヤマナーガさん × 舞手・れらさんの共演
・金沢大学・山崎正枝さんの創作舞踏
・越中おわら節(富山)
・勝山左義長ばやし(福井)
・御陣乗太鼓(石川)

印象的だったのは 御陣乗太鼓をフルで見れたことです。
上杉謙信勢を追い払うため、漁師たちが木のお面に海藻の髪をつけて奇声を上げた故事が、太鼓の迫力とともに蘇るようでした。

しかも、太鼓打ちの腰に巻かれた縄は「麻」。
稲藁より締まりが良く崩れにくいと教えていただき、「麻は生活の知恵そのものだった」と実感しました。
麻に関する講義もとても興味深かったです。
最後までいた方に話を聞いたら、雨が降ったりやんだりでしたが、花火があげる時間は奇跡のように止み、能登復興を祈る“麻炭花火”1000発が夜空に舞ったそうです。