去年の年末に有松の古戦場を記事にしましたが、その時は町並みは散策せずに帰途して、江戸時代の面影があるのを知っている気になる町で、いつか歩ければ…と思っていました。
それで、家からも割と近めなので、興味本位にふらっと散策してみることに!
この有松は「絞りの町」で有名で、日本を代表する伝統工芸品として地位を確立しているのです。
今回は、その「有松」にスポットをあてて、ご紹介を致しますね!
江戸と京都を結んだ旧東海道の池鯉鮒宿(ちりゅうしゅく)と鳴海宿(なるみしゅく)の間に、慶長13年(1608年)藩の奨励により開村された、400年以上の歴史がある「有松」
東海道を往来する旅人の土産物としての絞り染め(有松絞り)が考案され、以降、有松絞りとともに町が発展したのです。
取り敢えず、私は有松駅を降りて西に向かって歩くと、早速、有松絞りのお店を発見です!
この「ありまつ」と描かれた暖簾は、あちこちの伝統的な家屋の軒先に見られて、藍染めが美しい町を表現してます。
旧東海道に約800mの区間が残り、広々としたゆったりとした景観が特徴。
一歩、一歩と足を踏みしめると、江戸時代に近づきつつありそうで、小京都に迷い込んだ感があります…!
有松の町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているほか、2019年には日本遺産に認定されているのですね。
ここ中町の「唐子車」と呼ばれる山車が格納されており、かつて祭礼に曳航した山車は、祭りが終わると山車庫に解体保管していました。
現在は、上山をおろした状態で収容、格納していているようで、木造の風合いが町並みの景観された造りとなっています。
有松の町並みの家の造りの特徴は、卯建(うだつ)のある和瓦の屋根や、漆喰で塗り込めた塗籠造り(ぬりごめづくり)虫籠窓(むしこまど)などの伝統的な建築が建ち並び、電線・電柱のないすっきりとした江戸情緒の余韻が…!
上の写真は、名古屋市指定有形文化財の「竹田家住宅」になります。
竹田家は、有松絞りの開祖・竹田庄九郎の後裔で300年以上の伝統を持ち、有松における代表的な家系のひとつ。
主屋1棟、蔵3棟、茶室1棟、26畳の書院造りで、江戸末期の屋敷の様子は「尾張名所図絵巻」にも描かれており、明治期のガス灯の名残りも当時の商家の繁栄ぶりを表しているようです。
有松には、赤い丸型ポストが2基あります。
この古き有松ノスタルジックに合っていて、もし、お手紙が過去に届いたら未来のポストに投函して、タイムカプセル風に取り戻せたら…と思ったり。
こちらの Atelier&Shop の「彩 Aya Irodori」の有松絞りが、品位があって素敵ですね!
この「岡家住宅」は、江戸時代末期の建築で、当時は丸屋丈助の店として、小田切春江の錦絵にも描かれています。
敷地は奥行が深く、二階窓は優美な縦格子、塗篭漆喰塗になっており、お勝手の釜場の壁は、防火上の配慮から柱を巻き込み塗り込めらた土壁が、独特の波型が特徴。
尚、「岡家住宅」は、毎週土・日曜日は年始年末を除き、建物を公開していますので、機会があれば是非、見学を!
そして、最後はこちらの「小塚家住宅」になります。
小塚家は、茶室の付く主屋、表倉、南倉などからなり、重厚広壮な有松の紋問屋の形態をよくとどめており、改造も少なく、建築的にも優れ、歴史的にもまた町並み美観の上からも貴重な建物なのです!
また、屋号を山形屋として明治期まで紋問屋を営んでいました。
生まれて初めて有松の町並みを散策しましたが、とても情緒深くて江戸時代に一瞬、タイムスリップしてこのまま滞在してもいいくらいに魅かれる町。
たまにガイドさんが案内してるツアーのお客さんを見かけて、私もできれば講釈を聞きたかった人です…。
有松絞り体験やオシャレなお店巡りもしたい…と、有松の虜になりつつ、今回は西側を歩きましたが、今後は東側もご紹介できればと思います。
有松伝統的建造物群保存地区

住所
〒458-0924
愛知県名古屋市緑区有松
交通アクセス
名鉄名古屋本線「有松」駅下車、徒歩3~5分