宮城県・奥松島、宮戸島にある旧鮫ヶ浦漁港を訪ねました。
きっかけは、マイナーな観光スポットを紹介している動画でした。
海へと伸びる錆びたレールが印象に残る、知る人だけが足を運ぶ場所です。
近くの漁港に車を停め、潮の匂いを感じながら歩き出します。
途中、暗いトンネルを通ります。
ひんやりとした空気が流れ、足元も心も少しだけ引き締まります。
ライトがあれば安心できそうな暗さ。
中へ進むと、外とは空気が変わったような感覚を覚えました。
吸い込まれるような静けさ。
ここだけ、時間の進み方が違うように感じます。
トンネルを抜け、目的の旧鮫ヶ浦漁港に着きました。
穏やかな空気が、静かに流れています。
聞こえるのは、風と波の音だけ。
錆びた台車を乗せたレールは、まっすぐ海へと伸びています。
近くにはイカリがひとつ、置かれていました。
潮風にさらされた鉄の色合い。
その質感が、なんともいえない味わいを出しています。
どこかノスタルジックで、思わずカメラを向けたくなる風景です。
ですが、ここにはもう一つの顔があります。
実は、震洋と呼ばれる特攻兵器の基地跡でもあります。
そのことを踏まえると、少しこの場所の見方が変わるかもしれません。
ただ波音を聞きながら、錆びたレールと海を眺める時間。
ここだけ、時間の流れが遅いかのように感じます。
ふと気づけば、訪ねてから約1時間。
あっという間に時間が過ぎていました。
何か特別なものがあるわけではありません。
それでもここには、確かに心をほどく静けさがありました。