瀬戸内海に浮かぶアートの島・直島に、朝早くからコーヒーが飲めるお店があります。

直島のコーヒー屋さん「アカイトコーヒー」です。
おそらく直島イチ早起きのお店で、朝の7時から自家焙煎の豆で丁寧にコーヒーを淹れてくれます。

オリジナルのアカイトブレンドや瀬戸内の海を感じさせてくれる瀬戸内ブレンド、それから季節によって違う味わいを楽しめる季節のブレンドなど、種類が豊富で、その日の気分や好みに合ったコーヒーを飲むことができます。

どのコーヒーも肩ひじ張らないで味わえる、それなりに、とてもおいしいコーヒー。

「それなりに」というのは、店主のこだわり。

すごく美味しいコーヒーもたまにはいいかもしれない。

けれど、アカイトコーヒーが目指しているのは、日常の中で普通に美味しいと感じられるコーヒー。

だから、何度でも飲めるし、飲みたくなる。

自分が飲んでいるいつものコーヒーに限りなく近いけれど、直島でしか飲めないコクと深みを感じさせてくれるのが、アカイトコーヒーのコーヒーです。
アカイトコーヒーでは、朝ご飯や軽食にピッタリの、トーストやスコーン、ケーキも食べられます。

どれも美味しいことに間違いはないのですが、その中でも、わたしのいちばんのお気に入りは、店主の奥さんが焼いたカンパーニュ。
軽くトーストして出してくれるので、サクッとした食感ともちっとした食感を両方味わえます。

レーズンの甘みや岩塩もやさしいアクセントになっていて、噛めば噛むほど小麦の美味しさを感じられますよ。

オリーブオイルとマーガリンはお好みで。

わたし的には、あたたかいミルクコーヒーと一緒にいただくと、美味しさが倍増する気がしています。
店内の一角には、店主の奥さんが繕ったデニムの小物やアカイトブランドの商品が並んでいます。

どれもお手頃価格で、日常使いできるアイテムばかり。

わたしはここの、デニムの大きめポーチを愛用しています。

毎日の暮らしの中に、瀬戸内を感じられるものがあると、そこはかとなく幸せな気分になります。

その場所にゆかりがあるものというのは、その場所とつながっている大切な実感をくれますね。
また、アカイトコーヒーでは新古書も取り扱っています。

古書も新書もコーヒー屋さんらしいセレクトでバラエティ豊かなラインナップ。

コーヒーを飲みながらゆっくりと物語を目で追うのも贅沢な時間です。

思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれませんよ。
アカイトコーヒーには出逢いがある。

わたしがアカイトコーヒーで常々感じているのは、今まで自分の中になかった新しい世界と出逢えることです。

人にしても、プロダクトにしても、本にしても、ここではたった1杯のコーヒーから、たくさんの物語が新しく紡がれていきます。

それはまるで、想いと想いをつなぐ赤い糸のよう。

小さな島の小さなコーヒー屋さんですが、その存在はとても大きいような気がしているのです。