今回から、「甲府山の手七福神めぐり」をしていきたいと思います。
「甲府山の手七福神」とは、山梨県甲府市北部にある「山手通り」という道路に沿うように点在する七福神を祀る神社仏閣のことです。
ちなに七福神とは毘沙門天(びしゃもんてん)寿老人(じゅろうじん)福禄寿(ふくろくじゅ)恵比寿神(えびすしん)弁財天(べんざいてん布袋尊(ほていそん)大黒天(だいこくてん)の七つの神様のことです。
これらを巡拝すると、七つの災難(太陽・星の異変・風水害・火災・干ばつ・盗難)が除かれ、七つの幸福(威光・寿命・人望・清廉・愛敬・度量・富裕)が授かるというものです。
この信仰は、室町時代末期頃から始まり、江戸時代には庶民の間で盛んになったようです。
そして今回は、大黒天を祀る「塩澤寺(えんたくじ)」と布袋尊を祀る弘法湯(こうぼうゆ)」を訪ねてきました。
まずは塩澤寺。地元では「厄地蔵さん」の愛称で親しまれており、以前紹介した稲積神社の「正の木さん」に並ぶ有名なお祭りが行われます。数万人もの参拝者が訪れるので相当な規模のお祭りです。私の高校の同級生もよく行っていました。
山梨には「塩澤」と書いて「しおざわ」と読む苗字があるのですが、ここでは「えんたく」と読みます。
808年(大同3年)、真言宗の祖、弘法大師こと空海(くうかい)が開山し、そののち踊念仏で有名な空也(くうや)により現在の名前を称するようになりました。門の入り口に大きな草履がぶら下がっています。
これは「舞鶴のマツ」と呼ばれるもので、鶴が両翼を開いて舞い上がる姿に似ていることからそう呼ばれています。
舞鶴のマツの前にお目当の大黒天像がありました。全身の色が黒くて、福を入れた袋を背負い、手には財宝を出す「打ち出の小槌」を持っています。開運招福、財運隆昌のご利益があります。
こちらは地蔵堂と呼ばれるもので、鎌倉時代末期の地蔵菩薩を覆っているお堂です。
このお寺の面白いのが、この「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」です。この地蔵様が愚痴や悩みを聞いてくださるとのこと。地元のローカルテレビ番組でも紹介されたことがありますよ。訪問した際は、是非ぼやいてください。w
お次は「弘法湯」です。
先程出てきた弘法大師が諸国行脚の途中、この湯村の地を訪ねました。大石が道をふさぎ、旅人が困っていたところ大師はお経を唱えて持っていた杖で石をどかしました。するとそこから湯が湧き出て、旅人の疲れを癒したとのことから「杖温泉 弘法湯」と名付けられたそうです。
温泉の入り口には「布袋尊」の像が安置されています。布袋尊は、七福神の中で唯一実在した禅僧です。持っている袋には人生に必要な福財が詰まっており、人々に福を授けて回ったそう。その袋は「堪忍袋」とも呼ばれ、大きな心で物事や人を包んだと言います。家庭円満、平常心堅固のご利益があります。
この地域が温泉街だと知っていても、地元に住んでいるとなかなか来ようと思うことはありませんでした。ですが、来てみるとなかなかよかったです。いつか温泉にも入ってみたいと思います。
温泉近くの桜が散って緑が見えています。季節の移り変わりが感じられる素敵な温泉街です。
今回は甲府山の手七福神から「大黒天」と「布袋尊」に会いに行きました。次は、どの神様に会いに行きましょうか。では、今回はこれにて終了となります。ご覧いただきありがとうございました。