鳥取県の最西端にある米子市と境港市にかかる弓ヶ浜半島には興味深い成り立ちがあります。
地球の活動による土地の変化は珍しくありませんが、弓ヶ浜半島は人間が砂鉄を採取するたたら製鉄が始まった時代から徐々に面積が広がり、今度はその衰退と共に海流で削られて面積が減り、家屋が沈没する問題に悩まされた歴史があります。
このあたりの経過は「ブラタモリ(2022/08/28放送)」でも紹介されました。
弓ヶ浜半島の付け根には日野川河口があります。その日野川上流でたたら製鉄の砂鉄を採る為に山を崩し、その砂を川に流しながら砂鉄だけを分離させ採取していました。そのためにわずかな砂鉄以外の大量の排砂が日野川へ流れ、河口から半島へと供給されて半島が拡大する原因になりました。
しかし、明治から大正時代にたたら製鉄が衰退すると大量の砂の供給がなくなり、かわって海流の影響で半島は削られるようになりました。
そのため現在、半島の海岸各所にはテトラポットが配置されて、海岸線を保つようにしています。
この弓ヶ浜半島の日本海側を走る431号線に沿って防風林の松が植えられています。
初めてこの地を訪れた人はこの美しい松並木に少なからず驚かされますが、現在は車だけでなくサイクリングコースが整備され自転車でもこの松並木を楽しみながら走ることができるようになりました。
境港から米子へ向かう真ん中あたりにあるのが弓ヶ浜展望台で、旅番組にもよく取り上げられています。
遠く右には大山、反対左側には島根半島が見え、突堤は魚釣りに人気のスポットになっています。
この日は10月の終わりの豪雨が来る直前の空模様でした。日本海側の冬はだいたいこんな色が多いです。冬はさらに海からの強風が加わります。
特に釣りやサイクリングが好きな人におすすめです。
住所:鳥取県米子市富益町 弓ケ浜展望台